TEL03-6455-7010矯正相談受付中

WEB予約

ブログ

矯正治療中に気をつけた方がいい食事とは?

念願の歯列矯正を始めたものの、「毎日の食事がストレスになりそう…」そんな不安を感じていませんか?実は、矯正中の食事は「絶対ダメ」なものは少なく、装置を守り、歯の移動を助けるための「3つの基本ルール」と少しの工夫で、食事の楽しみを大きく損なうことはありません。

この記事では、具体的なNG食材リストから、装置の調整後で痛みがある時でも美味しく食べられる栄養満点レシピ、さらには外食やコンビニでメニューを選ぶ際のコツまで、専門家の視点から徹底解説します。正しい知識を身につけ、あなたの矯正生活をもっと快適で楽しいものに変えていきましょう。

矯正治療中に気をつけた方がいい食事はありますか?

矯正中の食事で押さえるべき3つの基本ルール

矯正治療を始めると、お口の中に装置が入り、食事に工夫が必要になります。 「装置が壊れないか心配」「何を食べれば良いかわからない」と感じるかもしれません。 しかし、いくつかの基本ルールを守れば、食事の楽しみを大きく損なうことはありません。

矯正治療中の食事で最も大切なのは、以下の3つのルールです。

  1. 矯正装置の破損や脱離を防ぐ  装置に過度な力がかかると、変形や破損につながります。  治療計画に遅れが生じ、通院回数が増える原因にもなります。
  2. 虫歯や歯周病のリスクを管理する  装置の周りは食べカスが残りやすく、虫歯菌の温床になりがちです。  清潔な口腔環境を保つことが、治療を円滑に進める鍵となります。
  3. 歯が動くために必要な栄養を摂る  歯の移動は、歯を支える骨の代謝(リモデリング)によって起こります。  バランスの取れた食事は、この骨の代謝を助け、治療をサポートします。

これらの基本ルールを意識して、ストレスの少ない快適な矯正生活を送りましょう。

避けるべき食べ物リスト(硬い・粘着性・繊維質)

矯正治療中は、装置の破損や清掃のしにくさから避けるべき食べ物があります。 無理に食べると装置が壊れるだけでなく、歯や歯ぐきを傷つける恐れもあります。 具体的にどのような食べ物に注意すべきか、その理由とともに確認しましょう。

種類 具体的な食べ物 避けるべき医学的な理由
硬い食べ物 せんべい、ナッツ類、氷、フランスパン、骨付き肉、りんごや人参の丸かじり 強い力で噛むことで、装置(ブラケットやワイヤー)が変形・脱離する原因になります。また、治療中の歯に過度な力がかかり、痛みを誘発したり、まれに歯の根が短くなる歯根吸収のリスクを高めたりすることがあります。
粘着性の高い食べ物 キャラメル、ガム、餅、ヌガー、グミ、ドライフルーツ 装置に強く付着し、取り除くのが非常に困難です。無理に取ろうとすると装置を破損させるリスクがあります。また、糖分が装置の周りに長時間停滞し、虫歯のリスクを著しく高めます。
繊維質の多い食べ物 ほうれん草、えのき、ニラ、もやし、細い麺類(ラーメンなど) 細かい繊維がワイヤーやブラケットの隙間に複雑に絡まり、不快感の原因となります。歯ブラシだけでは除去が難しく、磨き残しが口内環境を悪化させ、口臭や歯肉炎につながります。

これらの食べ物も、調理法を工夫すれば食べられる場合があります。 例えば、りんごは薄くスライスしたり、すりおろしてヨーグルトに加えたりしましょう。 お肉や野菜は、細かく刻んでスープや煮込み料理にすると、装置への負担を減らせます。

食べやすいおすすめの食べ物リスト(柔らかい・栄養価が高い)

矯正装置をつけた直後や調整後の数日間は、歯が動く痛みで食事がしにくくなります。 そんな時でも、栄養をしっかり摂れる柔らかい食べ物を知っておくと安心です。

【痛みがある時におすすめの食べ物】

  • 主食  おかゆ、雑炊、リゾット、柔らかく煮込んだうどん
  • 主菜  豆腐料理(冷奴、湯豆腐)、茶碗蒸し、ひき肉を使った料理(ハンバーグ、つくね)、白身魚の煮付け、卵料理(オムレツ、スクランブルエッグ)
  • 副菜・スープ  マッシュポテト、ポタージュスープ、野菜の煮物
  • デザート・果物  ヨーグルト、プリン、ゼリー、ムース、バナナ、完熟した桃

【歯の移動をサポートする栄養素と食材】 矯正によって歯が動く際は、歯の周りの骨で「骨の吸収と再生」が繰り返されます。 この骨代謝を円滑に進めるため、以下の栄養素を意識的に摂取しましょう。

栄養素 役割 多く含まれる食材例
タンパク質 歯ぐきや骨など、歯周組織の主成分となる。 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品
カルシウム 歯や骨を構成する主要なミネラル。 牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、豆腐
ビタミンD カルシウムの吸収を助け、骨の健康を維持する。 鮭、いわし、きのこ類、卵黄
ビタミンC 歯ぐきのコラーゲン生成に不可欠で、歯周病を予防する。 ピーマン、ブロッコリー、じゃがいも、柑橘類
ビタミンA・B群 口の中の粘膜を保護し、口内炎の予防・回復を助ける。 緑黄色野菜(人参、かぼちゃ)、豚肉、レバー、うなぎ

これらの食材を柔らかく調理し、日々の食事にバランス良く取り入れることが大切です。

歯や装置の着色(ステイン)を防ぐ飲み物・食べ物の選び方

矯正装置の種類によっては、食べ物や飲み物による着色(ステイン)が目立つことがあります。 特に、透明なマウスピースやセラミック製のブラケットを使用している方は注意が必要です。 着色の原因は、食品に含まれるポリフェノールなどの色素が歯の表面に付着することです。

【着色しやすい飲み物・食べ物の例】

  • 飲み物  コーヒー、紅茶、赤ワイン、緑茶、ウーロン茶、ココア
  • 食べ物  カレー、ミートソース、ケチャップ、醤油、ソース、チョコレート、ブドウやベリー類

着色を完全に防ぐのは困難ですが、少しの工夫で軽減できます。

【着色を防ぐための3つの工夫】

  1. 色の濃い飲み物はストローを使う  ストローを使うと、飲み物が前歯の表面に直接触れるのを防げます。  これにより、色素が歯に付着するリスクを減らすことができます。
  2. 摂取後はすぐに口をゆすぐか歯を磨く  色の濃いものを飲食した後は、できるだけ早く水で口をゆすぎましょう。  色素が定着する前に洗い流すことが重要です。可能であれば歯磨きをしましょう。
  3. マウスピースは必ず外して飲食する  マウスピース矯正の場合、水以外の飲食の際は必ず装置を外してください。  装着したままだと、唾液による自浄作用が働かず、歯と装置の間に色素が長時間停滞してしまいます。  これにより、歯と装置の両方が強く着色する原因となります。

日々の少しの心がけで、治療期間中もきれいな口元を維持しましょう。

【装置・時期別】矯正中の食事で注意すべき4つのポイント

矯正治療中は、お使いの装置の種類や治療の段階によって食事の注意点が異なります。 特に、歯に固定するワイヤー矯正と、ご自身で取り外せるマウスピース矯正では工夫が大きく変わります。 また、治療開始直後や装置を調整した後は、痛みで食事がつらく感じることもあるでしょう。 ここでは、それぞれの状況に合わせた食事のポイントと、トラブル時の対処法を具体的に解説します。

ワイヤー矯正:食べ物が詰まりやすいので小さく切って食べる

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットという装置を接着し、ワイヤーを通して歯を動かします。 この複雑な構造のため、どうしても食べ物が詰まりやすくなるのが特徴です。 特に繊維質の多い野菜や細い麺類は、装置に複雑に絡みつくことが少なくありません。

食事のストレスを減らし、装置を清潔に保つ最も効果的な対策は、食材を「一口サイズに小さく切る」ことです。 食材を小さくすることで、以下のような医学的なメリットがあります。

  • 装置の破損リスク低減  大きな塊や硬いものを前歯で噛みちぎる動作は、ブラケットが外れる主な原因です。  あらかじめ小さく切っておけば、奥歯で優しく噛むことができ、装置への負担を大幅に減らせます。
  • 清掃性の向上  食べカスが小さければ、食後の歯磨きやうがいで除去しやすくなります。  磨き残しが減ることで、矯正中の虫歯や歯肉炎のリスクを効果的に管理できます。

【食べ方の工夫】

食べ物の種類 具体例 工夫のポイント
硬い果物・野菜 りんご、梨、人参スティック 丸かじりは絶対に避け、薄切りやいちょう切りにしてから奥歯でゆっくり噛みましょう。すりおろしてヨーグルトに混ぜるのも良い方法です。
肉類 ステーキ、唐揚げ、骨付き肉 骨付き肉は避け、お肉はナイフとフォークで細かくカットしてから口に運びましょう。繊維がワイヤーに絡まるのを防げます。
麺類 ラーメン、パスタ すすって食べるとワイヤーに麺が絡まり、非常に食べにくくなります。レンゲを使ったり、あらかじめ短く切っておくとスムーズに食べられます。
パン類 フランスパン、ベーグル 表面が硬いパンは、装置を傷つけるリスクがあります。ちぎってスープに浸すなど、柔らかくしてから食べる工夫が必要です。

特に詰まりやすい食べ物を食べる際は、食後に鏡で確認し、丁寧な歯磨きを心がけてください。

マウスピース矯正:飲食時の着脱ルールと注意点

ご自身で取り外しができるマウスピース矯正(インビザラインなど)は、食事の制限がないのが大きな利点です。 しかし、その利点を最大限に活かし、計画通りに治療を進めるには、守るべき重要なルールがあります。

【マウスピース矯正における飲食の三大原則】

  1. 食事の際は必ずマウスピースを外す  装着したまま食事をすると、噛む力でマウスピースが変形・破損する恐れがあります。  また、装置と歯の間に食べ物が挟まり、虫歯や歯周病のリスクが著しく高まります。
  2. 装着中の飲み物は「水」か「無糖の炭酸水」のみ  マウスピース装着中は唾液による自浄作用が働きにくく、歯が飲み物に直接さらされ続けます。  - 糖分を含む飲み物(ジュース、スポーツドリンクなど)   マウスピース内部が虫歯菌の温床となり、虫歯のリスクが非常に高くなります。  - 酸性の飲み物(炭酸飲料、柑橘系ジュースなど)   歯の表面のエナメル質が溶ける「酸蝕症(さんしょくしょう)」を引き起こす原因になります。  - 色の濃い飲み物(コーヒー、紅茶、赤ワインなど)   マウスピースと歯の両方に着色(ステイン)が付着し、見た目を損ないます。
  3. 食後は歯を磨いてから再装着する  食べカスや糖分が口に残ったまま再装着すると、密閉された空間で細菌が繁殖します。  外出先などで歯磨きが難しい場合でも、最低限、水でしっかり口をゆすいでから装着しましょう。

外したマウスピースはティッシュに包むと誤って捨ててしまいがちです。 紛失や破損は治療期間の延長につながるため、必ず専用のケースで保管する習慣をつけましょう。

矯正開始・調整直後:痛みがある時に食べやすい流動食やスープ

矯正装置を初めてつけた時や、月に一度の調整を行った後の2〜3日間は、歯が動く痛みを感じやすい時期です。 これは、歯と骨の間にある「歯根膜(しこんまく)」という組織が圧迫され、軽い炎症を起こすためです。 歯が浮くような感覚や、噛むと響くような痛みが生じ、普段通りの食事が難しくなることがあります。

このような時期は、無理に固形物を食べる必要はありません。 噛まずに栄養を摂れる、柔らかい食事を工夫して取り入れましょう。

【痛みが強い時におすすめのメニュー】

カテゴリ 具体例 栄養面のポイント
主食 おかゆ、雑炊、リゾット、柔らかく煮込んだうどん エネルギー源となる炭水化物をしっかり補給できます。
主菜 豆腐、茶碗蒸し、ひき肉のあんかけ、白身魚のほぐし身 歯や骨の代謝に不可欠なタンパク質を、負担なく摂取できます。
副菜・汁物 ポタージュスープ、野菜を煮込んだコンソメスープ、マッシュポテト 野菜を煮込むことでビタミンやミネラルを効率良く摂れます。
その他 ヨーグルト、ゼリー、プリン、スムージー、プロテインドリンク 食欲がない時でも、手軽に栄養を補給できる補助食として活用しましょう。

痛みが辛いと栄養が偏りがちですが、歯が動くためにはタンパク質やビタミン、ミネラルが不可欠です。 バランスの取れた食事は、痛みの早期回復と円滑な歯の移動をサポートします。

装置に食べ物が挟まった時の対処法と清掃方法

特にワイヤー矯正では、どれだけ気をつけても食べ物が装置に挟まることは避けられません。 挟まった食べカスを放置すると、虫歯や歯肉炎、口臭の直接的な原因になります。 プラーク(歯垢)が形成され、お口のトラブルにつながる前に、速やかに取り除くことが重要です。

【食べ物が挟まった時の対処ステップと清掃用具】

  1. うがいをする  まずは水やお茶で強く口をすすぎ、大きな食べカスを洗い流します。食後すぐに行うと効果的です。
  2. 歯ブラシで磨く  鏡を見ながら、歯ブラシの毛先を使い、ブラケットの周りやワイヤーの下を一本ずつ丁寧に磨きます。
  3. 補助清掃用具を活用する  歯ブラシだけでは届かない場所には、専用の道具が非常に有効です。  - タフトブラシ(ワンタフトブラシ)   毛束が一つになった小さなブラシです。ブラケット周辺の複雑な部分をピンポイントで磨けます。  - 歯間ブラシ   ワイヤーと歯の間の狭い隙間の清掃に最適です。隙間の大きさに合ったサイズを選びましょう。  - フロス(フロススレッダーを使用)   ワイヤーの下にフロスを通すための補助具(フロススレッダー)を使うと、歯と歯の間の清掃が可能です。

【注意点】 つまようじや硬いもので無理に取ろうとすると、歯ぐきを傷つけたり、装置を破損させたりする危険があります。 どうしても自分で取り除けない場合は、無理せずにかかりつけの歯科医院へ連絡し、指示を仰いでください。

矯正中の食事を楽しむための5つの工夫

矯正治療中は食事に制限があり、ストレスを感じる方も少なくありません。 しかし、少しの工夫で食事はもっと快適に、そして楽しくすることができます。 治療中の食事は、単に「食べられるものを選ぶ」ことだけが目的ではありません。 栄養バランスを保ち、歯の移動を助け、治療を円滑に進めるための重要な要素です。 これからご紹介する5つの工夫を取り入れ、実りある矯正期間を送りましょう。

お子様の学校給食やお弁当で配慮すべきこと

お子様が矯正治療中の場合、保護者の方は学校での食事を心配されることでしょう。 学校とご家庭が連携し、お子様が安心して学校生活を送れるようサポートすることが大切です。 特に、周りの子と違うことへの心理的な配慮も必要になります。

【学校給食での対応:事前の連携が鍵】

  • 学校への情報共有  矯正治療中であること、硬いものや絡まりやすいものが食べにくいことを、担任の先生や栄養士の方に連絡帳などで具体的に伝えましょう。
  • 食べられないメニューの対応相談  献立表を確認し、食べにくいメニューがある場合は、残しても良いか、代替食を持参できるかなどを事前に相談しておくと、お子様の精神的な負担が減ります。
  • フードカッターの持参許可  給食を自分で細かく切るためのフードカッター(清潔なキッチンばさみ)を持参できるか、学校に相談してみるのも有効な手段です。

【毎日の安心につながるお弁当作りの工夫】

  • すべてを一口サイズに  唐揚げや卵焼き、野菜など、すべてのおかずをあらかじめ一口サイズにカットしましょう。
  • 柔らかく食べやすい食材を選ぶ  鶏そぼろ、豆腐ハンバーグ、かぼちゃの煮物などが定番です。
  • 麺類は短くカット  スパゲッティなどを入れる際は、フォークで食べやすい2〜3cmの長さに切っておくと、ワイヤーに絡まるのを防げます。
  • 見た目の楽しさをプラス  カラフルな食材を使ったり、柔らかい食材で型抜きをしたりすると、食事の時間がより楽しいものになります。

食事による装置の破損・脱離のリスクを減らす食べ方

矯正装置は非常に精密ですが、想定外の強い力がかかると破損したり外れたりします。 装置のトラブルは治療期間の延長につながるため、日々の食べ方でリスクを管理しましょう。 装置を守ることは、治療計画を守ることに直結します。

【装置を守るための食べ方チェックリスト】

  •  前歯で噛みちぎっていませんか?  りんごの丸かじりや、お肉を前歯で噛みちぎる行為は、ブラケットが外れる最大の原因です。  必ず一口サイズに切ってから口に運びましょう。
  •  奥歯でゆっくり噛んでいますか?  食べ物を口に入れたら、片側だけで噛まず、左右の奥歯でゆっくり噛むことを意識してください。  これにより、特定の歯や装置に力が集中するのを防げます。
  •  無意識に硬いものを噛んでいませんか?  食事中に氷を噛み砕いたり、梅干しの種を噛んだりする行為は絶対に避けましょう。  骨付き肉や魚の骨にも細心の注意が必要です。
  •  食材は十分に小さくしていますか?  食材は、調理の段階や食べる直前に、フォークやナイフで細かくする習慣をつけましょう。  特に外食時は、意識して小さくすることが重要です。

これらの習慣を身につけることで、装置のトラブルが起こる頻度を大幅に減らせます。

まとめ

今回は、矯正治療中の食事について、避けるべき食べ物から楽しむための工夫まで、詳しくご紹介しました。

矯正中の食事は「制限」が多くて大変だと感じるかもしれません。 しかし、大切なのは「食べてはいけない」と考えるのではなく、「どうすれば安全に美味しく食べられるか」と工夫することです。 食材を小さく切ったり、柔らかく調理したりする少しの手間で、食事の楽しみを大きく損なうことなく、装置の破損や虫歯のリスクも減らせます。

痛みがある時は無理せず、栄養のあるスープなどで乗り切りましょう。 食事に関する悩みや不安は、一人で抱え込まず、私たち歯科医師や歯科衛生士にいつでも気軽にご相談くださいね。 理想の歯並びを手に入れるために、一緒に頑張りましょう。