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痛みが少ないインプラント手術のために行なっていること

「インプラントの手術は、なんだか痛そう…」 そんな不安な気持ちから、治療をためらっている方もいるかもしれません。

しかし、歯科医療の技術は日々進歩しています。 手術中の痛みをできるだけ少なくするための様々な工夫がされています。 痛みを上手にコントロールすることは、手術後の回復を早めることにもつながる、とても大切なことです。

表面麻酔と浸潤麻酔の併用で注射の痛みも軽減

手術の痛みをなくすためには麻酔の注射が必要ですが、「そもそも注射が苦手」という方は多いでしょう。 あのチクッとする痛みを想像するだけで、緊張してしまいますよね。 その最初の痛みを和らげるため、多くの歯科医院では「2段階」で麻酔を行います。

  • ステップ1:表面麻酔
    • 歯ぐきにジェル状の麻酔薬を塗ったり、スプレーを吹きかけたりする麻酔です。
    • これによって、注射の針を刺す場所の感覚を鈍らせることができます。
    • 注射の「チクッ」とした痛みを和らげることを目的としています。
  • ステップ2:浸潤麻酔
    • 表面麻酔で歯ぐきの感覚が鈍くなったことを確認してから、麻酔薬を注入します。
    • このとき、とても細い針を使い、ゆっくり時間をかけて薬を入れていきます。
    • 急いで薬を注入すると、その圧力で痛みを感じやすくなるため、丁寧に行うことが大切です。

このように、段階的に麻酔を行うことで、手術する場所にしっかりと薬を効かせることができます。 また、必要な場所にだけ作用させる「局所的」な方法は、体全体への影響や副作用のリスクを抑えることにもつながります。 注射が苦手な方でも、安心して治療を受けられるように配慮されています。

歯科治療に不安の強い方に向けた静脈内鎮静法(リラックス麻酔)

「歯医者さん自体が怖い」「治療の音や雰囲気を想像するだけでドキドキする」 そんな方のために「静脈内鎮静法(じょうみゃくないちんせいほう)」という方法があります。

これは、腕の血管から点滴で鎮静薬を入れる方法です。 うとうとと半分眠っているような、とてもリラックスした状態で手術が受けられます。 全身麻酔のように完全に意識がなくなるわけではなく、呼びかけには応じられるのが特徴です。

<静脈内鎮静法のメリット>

メリット 具体的な内容
不安や恐怖心が和らぐ 気持ちが落ち着き、リラックスした状態で治療が受けられます。
治療中のことをほとんど覚えていない方も多くいらっしゃいます。
痛みを感じにくい 薬の作用により、痛みに対する感覚が鈍くなります。
局所麻酔と組み合わせることで、より快適に手術を受けられます。
全身状態の管理 治療中は、血圧や心拍数、呼吸の状態を専門の機械で常に確認します。
全身の状態をしっかり管理しながら、安全に配慮して手術を進めます。

特に、歯科治療に強い恐怖心がある方や、お口に器具が入ると吐き気をもよおしやすい方におすすめです。 また、何本ものインプラントを入れるなど、長時間の外科処置が必要な場合にも適しています。 手術への不安を和らげることで、心と体の両方の負担を少なくすることができます。

コンピューターガイドシステムによる精密で低侵襲な手術

インプラント手術の安全性と正確性をさらに高めるために、コンピューターの技術を使う方法があります。 それが「コンピューターガイドシステム」です。 事前にCTで撮影したお口の3Dデータをもとに、コンピューター上で手術の計画を立ててから本番に臨みます。

<ガイドシステムを使った手術の流れ>

  1. 精密検査(CT撮影)
    • 顎の骨の形や厚み、大切な神経や血管の位置などを、3Dの立体画像で詳しく調べます。
  2. コンピューターで計画立案
    • 検査データをもとに、インプラントを埋め込むための、安全性を考慮した適切な位置・角度・深さを、コンピューター上で正確に決定します。
  3. サージカルガイドの作製
    • シミュレーション通りに手術を行うため、お口にぴったり合うマウスピース型の「サージカルガイド」という装置を作ります。これは手術の際の「ものさし」のような役割を果たします。
  4. ガイドを用いた手術
    • 手術当日は、このサージカルガイドをお口にはめて手術します。
    • これにより、計画した位置からずれることなく、正確にインプラントを埋め込むことができます。

このシステムを使うことで、歯科医師の経験や勘だけに頼らない、データに基づいた精密な手術が可能になります。 神経や血管を傷つけるリスクの低減につながります、歯ぐきを切る範囲も必要最小限で済みます。 その結果、手術後の痛みや腫れを大きく減らすことにつながるのです。

切開・剥離を最小限にするフラップレス手術

インプラント手術では、歯ぐきをメスで切り開き、顎の骨が見えるようにしてからインプラントを埋め込むのが一般的な方法です。 しかし、この方法だと傷口が大きくなりやすく、手術後の痛みや腫れの原因になることがあります。

そこで、患者さんの負担を減らすために考えられたのが「フラップレス手術」です。 この方法では、歯ぐきを大きく切り開くことはしません。 インプラントを埋め込むための、ごく小さな丸い穴を開けるだけです。

<フラップレス手術のメリット>

  • 手術後の痛みや腫れが少ない
    • 傷口がとても小さいため、体へのダメージが少なく、痛みや腫れが出にくいです。
  • 手術時間が短い
    • 歯ぐきを切ったり、後で縫い合わせたりする工程が少ないため、手術の時間を短くできます。
  • 回復が早い傾向があります
    • 傷の治りが早く、普段の生活へスムーズに戻りやすい傾向があります。

ただし、この手術は誰でも受けられるわけではありません。 顎の骨の量や厚みが十分にあるなど、お口の中の状態が良い場合に限られます。

手術前から術後までの流れと痛み

インプラント手術と聞くと、その言葉から痛みを想像してしまうかもしれません。 しかし、手術中は麻酔が効いているため、痛みを感じにくくなっています。

多くの方が心配されるのは、手術が終わって麻酔が切れてからの痛みです。 ここからは、手術後の痛みがどのように変化していくのか、詳しく見ていきましょう。 また、ご自身でできる痛みを和らげる工夫についても解説します。

手術後の痛みと腫れのピークはいつ?期間とセルフケア

手術後の痛みや腫れには個人差がありますが、一般的な経過を知っておくと安心です。 前もって心の準備をしておくことで、落ち着いて対処することができます。

痛みと腫れの経過

  • ピークの時期  手術後の痛みや腫れは、術後数日をピークに、徐々に和らいでいくのが一般的です。
  • 回復するまでの期間  多くの場合、大きな痛みや腫れは時間とともに落ち着いてきます。
  • 注意が必要なケース  複数本のインプラントを入れたり、骨を増やす手術を同時に行ったりした場合です。  この場合は、腫れや痛みが2〜3週間ほど続くこともあります。  もし1ヶ月以上たっても強い痛みが続くなら、何か問題が起きている可能性があります。  そのようなときは、すぐに歯科医院へ連絡してください。

ご自身でできるセルフケア 痛みや腫れをできるだけ早く和らげるために、ご自身でできるケアがあります。 少しの工夫で、術後の経過が楽になりますので、ぜひ試してみてください。

  • 冷やす  手術した部分の頬の外側から、濡れタオルや冷却シートで優しく冷やしましょう。  ただし、氷などで直接冷やしすぎると、血の巡りが悪くなります。  かえって傷の治りを遅らせることがあるため、注意が必要です。
  • 安静にする  手術当日は、体の回復を最優先に考え、なるべく安静に過ごしましょう。
  • お口の中を清潔に保つ  細菌による感染を防ぐため、お口の中を清潔に保つことは非常に大切です。  ただし、手術した部分に歯ブラシが強く当たらないよう、優しく磨いてください。  うがい薬が処方された場合は、指示通りに正しく使いましょう。

処方される痛み止めの種類と効果的な服用タイミング

手術後には、感染を防ぐ「抗生物質」と痛みを和らげる「痛み止め」が処方されます。 これらのお薬を正しく使うことが、術後の快適さを左右する重要なポイントになります。

痛み止めを飲むベストタイミング 痛み止めを飲む最も効果的なタイミングは、「痛くなる前に飲む」ことです。 痛みが強くなってから飲むと、お薬が効くまでにつらい時間を過ごすことになります。

  1. まず、手術が終わって麻酔がまだ効いているうちに、1回目の痛み止めを飲みます。
  2. その後は、お薬の用法・用量を守り、痛みの予感がしたら早めに次の薬を飲みましょう。

もし処方された痛み止めで痛みがコントロールできない場合は、我慢は禁物です。 遠慮なく歯科医院に相談し、お薬の種類や量の調整をしてもらいましょう。

抜糸までの期間と食事や日常生活での注意点

手術で縫い合わせた糸を取り除く「抜糸(ばっし)」までは、いくつか注意点があります。 傷口が落ち着くまで、デリケートな部分をいたわる生活を心がけましょう。

抜糸までの期間

  • 抜糸は、傷口の治り具合を確認しながら、手術から一定期間後に行うのが一般的です。
  • 抜糸の際には、チクッとした軽い痛みを感じることもあります。
  • しかし、ほとんどの場合、麻酔は必要ありませんので安心してください。

食事での注意点 手術後の傷口はとてもデリケートなため、食事の内容に少し気を配る必要があります。

避けたほうがよい食べ物・飲み物 おすすめの食べ物・飲み物
硬いもの(おせんべい、ナッツなど) おかゆ、雑炊、うどん
熱すぎる・冷たすぎるもの スープ、ポタージュ
香辛料などの刺激物(唐辛子、わさび) ヨーグルト、ゼリー、プリン
歯にくっつきやすいもの(お餅など) 豆腐、茶わん蒸し
アルコール類 栄養バランスの取れたスムージー

日常生活での注意点

  • 激しい運動・長時間の入浴  体の血行が良くなりすぎると、痛みが出たり出血しやすくなったりします。  術後2〜3日はシャワーで済ませ、湯船に浸かるのは避けましょう。
  • 喫煙  タバコに含まれる成分は、血管を縮めて血の巡りを悪くします。  これにより傷の治りが遅れ、細菌に感染するリスクも高まります。  インプラントの成功のためにも、この期間は禁煙することが強く勧められます。

骨造成(GBR・ソケットリフト等)が必要な場合の痛み

インプラントを埋め込むには、土台となる顎の骨に十分な厚みや高さが必要です。 骨が足りない場合は、「骨造成(こつぞうせい)」という骨を補う手術を同時に行います。

骨造成には、GBR法やソケットリフトなど、いくつかの方法があります。 これらの手術は、インプラントを埋めるだけの手術に比べて、処置の範囲が広くなります。 そのため、どうしても術後の痛みや腫れが強く出やすい傾向にあるのです。

  • 痛みと腫れの程度  通常のインプラント手術よりも、痛みや腫れが強く、長引く可能性があります。
  • ピークと期間  痛みや腫れのピークは術後数日後に迎えることが多く、症状が落ち着くまでには時間がかかることもあります。  頬や顎のあたりに、内出血による青あざが見られることもあります。  これは時間とともに自然に消えていくので、心配しすぎる必要はありません。

もちろん、骨造成を行った場合でも、痛み止めや抗生物質を適切に使います。 痛みを十分にコントロールできますので、安心してください。 手術内容が大きくなるほど、術後の過ごし方がより重要になります。 歯科医師の指示をよく守り、安静に過ごすことを心がけましょう。

痛みに配慮した治療を受けるための歯科医院選び3つのポイント

インプラント手術を考えるとき、「痛いのは嫌だな」と感じるのは、とても自然な気持ちです。 しかし、歯科医院をしっかり選ぶことで、その不安は大きく和らげることができます。

痛みをできるだけ少なく、そして安心して治療を受けるためには、いくつか大切なポイントがあります。 ここでは、あなたが納得できる治療と出会うために、歯科医院選びで特に注目してほしいポイントを解説します。

CTやシミュレーションソフトなど精密検査設備の有無

痛みを抑え、安全に配慮した手術の第一歩は、お口の中の状態をいかに正確に知るかにかかっています。 そのために欠かせないのが、CTなどの精密な検査ができる設備です。

CTを使うと、あごの骨の厚みや硬さ、大切な神経や血管がどこを通っているかを立体的な3D画像で確認できます。 これは、まるで地図を持たずに知らない土地を歩くのではなく、詳しい地図とコンパスを持って目的地へ向かうようなものです。 手術で注意深く避けるべき場所が明確になり、安全な手術計画を立てられるのです。

インプラント治療に限らず、体の中に医療用の機器を入れる治療では、安全性が何よりも大切です。 例えば、体の他の部分の治療でも、MRIといった画像診断技術で体の状態を詳しく調べることが基本となっています。 これと同じように、インプラント治療におけるCT検査は、安全性を高める上で非常に重要な役割を担います。

さらに、CTで得たデータをもとに「シミュレーションソフト」で手術の模擬演習(リハーサル)を行う歯科医院もあります。 このシミュレーションによって、インプラントを入れる適切な位置や角度を、事前にミリ単位で検討できます。

<精密検査がもたらすメリット>

  • 安全性の向上  神経や血管を傷つけてしまうリスクを大幅に減らすことができます。
  • 体への負担軽減  手術で歯ぐきを切る範囲を必要最小限に抑えられます。  その結果、手術後の腫れや痛みが少なくなることにつながります。
  • 手術時間の短縮  計画通りにスムーズに手術が進むため、体への負担が軽くなります。

インプラントの豊富な症例数

インプラント手術は、専門的な知識と高い技術力が求められる治療です。 そのため、手術を担当する歯科医師の経験は、治療の安全性向上や痛みの軽減につながります。

安心して治療を任せられる医師を見つけるためには、以下のような点を確認してみましょう。

確認したいポイント 具体的な内容
日本口腔インプラント学会などが認める「専門医」や、専門医を育てる立場の「指導医」という資格を持っているかを確認します。
治療経験の豊富さ これまでにどれくらいのインプラント治療を行ってきたか(症例数)は、技術力を判断する一つの目安になります。
難しい症例への対応力 骨の量が少ない場合に行う「骨造成」など、より高度な技術が求められる手術の経験が豊富かどうかも重要です。

医療の世界では、新しい治療法の効果や安全性を確かめるために、多くの患者さんの治療結果(症例)を集めて科学的に分析します。 これは「エビデンス(科学的な根拠)」と呼ばれ、より良い治療法を見つけるための大切なプロセスです。 多くの経験を持つ医師は、様々な状況に対応できる知識と技術を蓄積しており、エビデンスに基づいた、より適切な治療の提供につながります。

治療後の保証制度と定期メンテナンスの充実度

インプラントは、手術が終わればすべて完了というわけではありません。 入れたインプラントをできるだけ長く、快適に使い続けるためには、治療後のサポート体制がとても重要です。

<定期メンテナンスの重要性> インプラントの周りに汚れがたまると、「インプラント周囲炎」という歯周病に似た病気になることがあります。 これを防ぐためには、ご自宅での毎日の歯磨きと、歯科医院での専門的なクリーニングが欠かせません。 治療がうまくいった後も、その良い状態を長く保つためには、継続的なケアが必要不可欠なのです。

事前のカウンセリングで不安や疑問を解消できるか

治療に対する不安や疑問が残ったままだと、それがストレスとなり、痛みを感じやすくなることもあります。 そのため、手術を決める前のカウンセリングの時間は、安心して治療を受けるための「作戦会議」として非常に大切です。

信頼できる歯科医院では、患者さんが十分に納得できるまで、じっくりと話を聞き、丁寧に説明してくれます。 カウンセリングでは、以下のような点を遠慮なく質問してみてください。

  • 治療計画について  なぜこの治療法が必要なのか、具体的な流れを分かりやすく教えてほしい。
  • 痛みへの配慮について  どのような麻酔を使うのか、手術中や手術後の痛み対策について詳しく知りたい。
  • 費用と期間について  治療には全部でいくらかかるのか、どのくらいの期間が必要なのか。
  • リスクやデメリットについて  考えられるリスクや、治療の良くない点についても正直に教えてほしい。

時間をかけてあなたの話を聞き、一つひとつの質問に誠実に答えてくれる医師やスタッフがいるかどうか。 それが、安心して治療を任せられるかどうかを判断する重要な基準になります。

もし少しでも不安が残る場合は、他の歯科医院の意見を聞く「セカンドオピニオン」を利用することも考えてみましょう。 納得できるまで情報を集め、信頼できるパートナーを見つけることが、痛みの少ないインプラント治療につながります。

まとめ

今回は、インプラント手術の痛みを和らげるための技術や、安心して治療を受けるためのポイントについてご紹介しました。 「手術は痛いもの」というイメージがあるかもしれませんが、麻酔の工夫や体に負担の少ない手術方法の進歩により、心身ともにリラックスして治療を受けられる環境が整ってきています。

大切なのは、あなたの不安に寄り添い、納得できるまで丁寧に説明してくれる歯科医院を見つけることです。痛みの少ない治療のためには、充実した設備や医師の経験はもちろん、親身に相談に乗ってくれる信頼関係も鍵となります。

痛みへの不安から治療をためらっているなら、まずは勇気を出してカウンセリングで相談してみませんか。あなたの疑問や心配事を解消することが、安心して治療に臨むための大切な第一歩になります。

参考文献

  1. Glinka Przybysz A, Vu TN, Pisansky AJB, Schuster NM, Sheth S, Cheng DS, Lobel SM, Binler D, Duszynski B, Conger A, Schneider BJ and Mattie R. “A systematic review of evidence comparing spinal cord stimulation to sham or conservative medical management in the treatment of persistent spinal pain syndrome – Type 2.” Interventional pain medicine 4, no. 3 (2025): 100635.
  2. Holland MT, Mekhail MN, Thrash G, George T, Mugan D, Paul C, Shirvalkar P, Grace W, Deer T, McGregor K, Vazquez do Campo R, Earley CJ and Walker HC. “Adaptive spinal cord stimulation improves restless legs syndrome: Case report, literature review, and mechanistic hypothesis.” Sleep medicine 134, no. (2025): 106664.
  3. Lu Y, Essadki-Aittaji I, Gao J, Abraham AM, Anjani QK, Cobo-González AB, Iglesias-Martín F, Vora LK, Millán-Jiménez M, Larrañeta E and Domínguez-Robles J. “Implantable and injectable drug delivery systems for pain management.” Expert opinion on drug delivery, no. (2025): 1-24.
  4. Lu Q, Spencer S and Jeyakumar A. “Systematic Review of the Impact of Magnetic Resonance Imaging on Diametric Magnet Cochlear Implants.” Otology & neurotology 46, no. 8 (2025): 918-923.
  5. Dai X, Liu C, Li Y, Liu J, Fan Y and Guo Q. “Evaluation of the therapeutic effects of Er:YAG laser with different parameters on peri-implantitis.” Medicine 104, no. 35 (2025): e44061.

追加情報

[title]: A systematic review of evidence comparing spinal cord stimulation to sham or conservative medical management in the treatment of persistent spinal pain syndrome – Type 2.

持続性脊髄痛症候群2型に対する脊髄刺激療法の有効性に関する系統的レビュー 【要約】

  • 持続性脊髄痛症候群2型(PSPS-T2)に対する後索脊髄刺激療法(SCS)の有効性を評価するため、無作為化比較試験(RCT)6件(計448名、SCS群257名、最終的にSCSインプラントを受けた者220名)を対象とした系統的レビューが行われた。
  • 疼痛、機能、生活の質、有害事象をアウトカムとした。追跡期間は1ヶ月~2年と様々だった。
  • 疼痛が50%以上軽減された患者の割合(奏効率)は、tonic SCS群で14~80%、従来の医療管理(CMM)群で3~20%だった。
  • 1~6ヶ月後の平均疼痛軽減率は、tonic SCS群で16~48%、burst SCS群で16~17%、CMM群で-15~16%、sham群で10~16%だった。
  • 6ヶ月後の平均機能改善率は、tonic SCS群で21~45%、CMM群で0~21%だった。
  • 有害事象としては、リードの移動(10~14%)、IPG部位の疼痛(1~12%)、感染症(6.9~10%)、硬膜穿刺(6%)などが報告された。
  • バイアスリスク評価では、3分の1の研究が低リスク、半分以上の研究に懸念事項が指摘された。
  • GRADEシステムによると、入手可能なRCTに基づき、SCSはPSPS-T2患者の疼痛と障害を6ヶ月後に軽減する上で臨床的に有効であるという中等度のエビデンスがある。
  • tonic SCS群では、CMM群と比較して6ヶ月後に50%以上の疼痛軽減を達成した患者が相当数おり、臨床的有効性が示された。tonic SCS施行後3~24ヶ月で機能と生活の質の有意な改善が認められた。
  • 本レビューに含まれた研究では、閉ループ、高周波、多波形SCSなどの、より新しく、潜在的により効果的なSCS技術は使用されていなかった。唯一含まれていたsham対照研究では、burst SCSの有効性が示されなかった。感染症やインプラント部位の疼痛などの有害事象発生率は研究間で大きく異なり、新しい研究と古い研究では、それぞれ発生率の下限と上限を示していた。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40896549

[quote_source]: Glinka Przybysz A, Vu TN, Pisansky AJB, Schuster NM, Sheth S, Cheng DS, Lobel SM, Binler D, Duszynski B, Conger A, Schneider BJ and Mattie R. “A systematic review of evidence comparing spinal cord stimulation to sham or conservative medical management in the treatment of persistent spinal pain syndrome – Type 2.” Interventional pain medicine 4, no. 3 (2025): 100635.

[title]: Adaptive spinal cord stimulation improves restless legs syndrome: Case report, literature review, and mechanistic hypothesis.

適応型脊髄刺激療法によるレストレスレッグ症候群の改善:症例報告、文献レビュー、およびメカニズム仮説 【要約】

  • 本論文は、適応型脊髄刺激療法(aSCS)がレストレスレッグ症候群(RLS)の治療に有効である可能性を示唆する症例報告、文献レビュー、およびメカニズムに関する仮説を提示している。
  • 1症例のRLS患者に対するaSCS治療の効果を詳細に報告し、症状の改善が観察されたことを示している。
  • 既存のRLS治療に関する文献レビューを行い、aSCSの有効性を裏付けるエビデンスを提示している。
  • aSCSがRLS症状を改善するメカニズムとして、脊髄における神経伝達物質の調節や痛覚伝達の変化などが考えられるとの仮説を立てている。
  • 本研究は、aSCSがRLSの新たな治療法となりうる可能性を示唆しているが、大規模な臨床試験による検証が必要であると結論づけている。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40652630

[quote_source]: Holland MT, Mekhail MN, Thrash G, George T, Mugan D, Paul C, Shirvalkar P, Grace W, Deer T, McGregor K, Vazquez do Campo R, Earley CJ and Walker HC. “Adaptive spinal cord stimulation improves restless legs syndrome: Case report, literature review, and mechanistic hypothesis.” Sleep medicine 134, no. (2025): 106664.

[title]: Implantable and injectable drug delivery systems for pain management.

疼痛管理のためのインプラント型および注射可能な薬物送達システム 【要約】

  • 世界中で広範な健康問題となっている疼痛は、生活の質を著しく低下させ、障害の原因となる。非癌性慢性疼痛は世界人口の20~30%に及ぶと推定されており、手術患者の約80%が術後急性疼痛を訴え、適切な疼痛管理が達成されるのは50%未満である。
  • 本レビューでは、現在の疼痛管理戦略の概要を説明し、特に経口以外の術後疼痛療法、注射可能な薬物送達システム(in situ形成インプラント、マイクロおよびナノベース製剤など)およびインプラント型薬物送達システムに焦点を当てている。疼痛部位へのより効率的な局所薬物送達を提供できる、持続的な薬物送達を目的とした固体インプラントデバイスに重点が置かれている。
  • 経口オピオイドや非ステロイド系抗炎症薬などの薬理学的治療法が一般的に使用されている一方で、インプラント型徐放システムがより効果的な代替手段として台頭している。これらのシステムは、全身への曝露を低減し、副作用、オピオイドの使用、および依存のリスクを最小限に抑えながら、局所的な疼痛緩和を提供し、術後疼痛管理の改善のための有望な解決策を提供する。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40855833

[quote_source]: Lu Y, Essadki-Aittaji I, Gao J, Abraham AM, Anjani QK, Cobo-González AB, Iglesias-Martín F, Vora LK, Millán-Jiménez M, Larrañeta E and Domínguez-Robles J. “Implantable and injectable drug delivery systems for pain management.” Expert opinion on drug delivery , no. (2025): 1-24.

[title]: Systematic Review of the Impact of Magnetic Resonance Imaging on Diametric Magnet Cochlear Implants.

磁気共鳴画像法(MRI)が磁性コクレアインプラントの直径に及ぼす影響に関する系統的レビュー 【要約】

  • 本論文は、磁性コクレアインプラントの直径に対するMRI検査の影響について、既存の研究を系統的にレビューしたものである。
  • MRI検査が磁性コクレアインプラントの直径に及ぼす影響について、複数の研究結果を分析し、その影響の程度やリスク因子などを検討している。
  • レビューの結果、MRI検査が磁性コクレアインプラントの直径に影響を与える可能性を示唆するエビデンスが提示されている。ただし、影響の程度や発生頻度については、さらなる研究が必要であると結論付けている。
  • 本レビューは、磁性コクレアインプラントを使用する患者におけるMRI検査の安全性を評価する上で重要な知見を提供している。
  • 将来的な研究として、異なるMRIパラメータ(磁場強度、撮影時間など)がインプラントに与える影響の解明や、インプラントの種類やデザインによる影響の違いの検討などが挙げられている。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40467098

[quote_source]: Lu Q, Spencer S and Jeyakumar A. “Systematic Review of the Impact of Magnetic Resonance Imaging on Diametric Magnet Cochlear Implants.” Otology & neurotology : official publication of the American Otological Society, American Neurotology Society [and] European Academy of Otology and Neurotology 46, no. 8 (2025): 918-923.

[title]: Evaluation of the therapeutic effects of Er:YAG laser with different parameters on peri-implantitis.

異なるパラメーターによるEr:YAGレーザーの歯周インプラント炎治療効果の評価 【要約】

  • ランダム化臨床試験において、異なるエネルギー設定のエルビウム・ヤグレーザー(Er:YAGレーザー)治療の歯周インプラント炎に対する治療効果を評価した。
  • 永久臼歯の裂溝う蝕と診断された40人の患者を、それぞれ異なる治療プロトコルを受ける5つの治療群に無作為に割り当てた。
  • 治療効果は、修復物の脱落率、う蝕の再発、患者が報告する口腔内の快適さを比較することで評価した。
  • 高エネルギー設定(60 mJおよび80 mJ)のEr:YAGレーザーを照射した治療群は、対照群と比較して、プローブ挿入深さ(PD)と出血指数が有意に減少した。
  • 80 mJ群は、最も顕著な改善を示し、PDと出血指数が最も低く、術後痛の軽減も最も大きかった。
  • 一方、対照群ではわずかな変化しか見られず、プラーク指数や疼痛レベルに有意な変化はなかった。
  • Er:YAGレーザー治療、特に高エネルギーレベル(80 mJ)では、プラークバイオフィルム、炎症、疼痛を効果的に軽減することにより、歯周インプラント炎治療の臨床転帰を改善する。
  • この知見は、歯周インプラント炎の管理を改善するためのレーザーエネルギーパラメーターの最適化の重要性を強調している。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40898558

[quote_source]: Dai X, Liu C, Li Y, Liu J, Fan Y and Guo Q. “Evaluation of the therapeutic effects of Er:YAG laser with different parameters on peri-implantitis.” Medicine 104, no. 35 (2025): e44061.