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審美歯科治療:セラミックとジルコニア、どちらを選べば良いか?

30代からの歯のケア、口元の銀歯が気になっていませんか?審美歯科で勧められる「セラミック」と「ジルコニア」は、どちらも自然で美しい白い歯を実現する人気の選択肢です。しかし、見た目の透明感を優先すべきか、奥歯でも安心な強度を重視すべきか、その選択は簡単ではありません。「どちらを選んでも同じだろう」と安易に決めてしまうと、後悔に繋がる可能性も。

この記事では、見た目や強度、費用、そして10年以上美しさを保つための寿命といった観点から、両者の違いを徹底解説します。あなたの希望やお口の状態に合わせた「正解」を見つけ、心から自信を持って笑える毎日を手に入れましょう。

セラミックとジルコニアの主な特徴4

銀歯を自然な白い歯にしたい、前歯が欠けて見た目が気になる。 そうお考えのとき、歯科医院では「セラミック」や「ジルコニア」をおすすめすることが多いです。

どちらも歯を白く美しく見せる素材ですが、それぞれに得意なこと、不得意なことがあります。 ご自身の希望やお口の状態に合う治療を選ぶためには、まず素材ごとの違いを知ることが大切です。

ここでは、次の4つのポイントから、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

  1. 見た目の美しさ
  2. 強度と耐久性
  3. 体への優しさ
  4. 美しさの持続性

これらのポイントを理解することで、あなたにとって最適な選択が見えてくるはずです。

素材と見た目の違い:透明感のセラミック、自然な白さのジルコニア

セラミックとジルコニアは、どちらも天然の歯に近い白さを再現できます。 しかし、その「白さ」の質には違いがあり、見た目の印象を左右します。

ご自身の天然の歯が持つ風合いをどのように再現したいかが、選択の鍵となります。

  • セラミック(オールセラミック)の特徴
    • 高い透明感  天然の歯は、光を少し通す「透明感」を持っています。  セラミックはこの透明感を忠実に再現できるのが大きな強みです。
    • 豊かな色調表現  周りの歯の色に合わせて、細かな色のグラデーションを表現できます。  そのため、他の歯と見分けがつかないほど自然な仕上がりになります。
    • 適した部位  特に人目に付きやすい前歯など、見た目の美しさを最優先したい部分に適しています。
  • ジルコニアの特徴
    • 自然な白さ  「白い金属」とも呼ばれるほど頑丈でありながら、美しい白色をしています。  セラミックほどの透明感はありませんが、ムラのない自然な白さが特徴です。
    • 透明度の進化  従来のジルコニアは白さが目立ちすぎることもありました。  しかし近年では、天然歯に近い透明度を持つタイプも開発されています。
    • ジルコニアセラミック  ジルコニアの土台にセラミックを焼き付ける方法です。  ジルコニアの強度とセラミックの美しさを両立させることができます。
素材の種類 見た目の特徴 こんな方におすすめ
オールセラミック 天然の歯に近い、高い透明感と自然な色合い 前歯など、見た目の美しさを最優先したい方
フルジルコニア 透明感はやや劣るが、ムラのない自然な白さ 奥歯など、強度を重視しつつ白くしたい方
ジルコニアセラミック ジルコニアの強度とセラミックの審美性を両立 見た目も強度も妥協したくない方

強度と耐久性の違い:奥歯にも使えるジルコニアの頑丈さ

詰め物や被せ物を選ぶとき、見た目と同じくらい大切なのが「強度」です。 食事でしっかり噛めるか、長期間安心して使えるかは、素材の頑丈さで決まります。

  • ジルコニアの強度と耐久性  ジルコニアは、セラミック系の素材の中で群を抜いて高い強度を誇ります。  「人工ダイヤモンド」と称されることもあるほど頑丈な素材です。  割れたり欠けたりするリスクが非常に低いため、噛む力が強くかかる奥歯にも安心して使えます。  また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方にも適した素材といえるでしょう。  近年の研究では、ジルコニアを用いたブリッジ(歯の橋渡しをする治療)などが10年以上にわたり良好な状態で機能するという報告もあり、その長期的な安定性が示されています。
  • セラミックの強度と耐久性  一方、オールセラミックも日常的な食事には十分な強度を持っています。 しかし、ジルコニアに比べると、どうしても強度は劣ります。  そのため、非常に強い力がかかった場合に欠けてしまう可能性は否定できません。  噛み合わせが強い方や、奥歯への使用には慎重な判断が必要になることがあります。

体への優しさ:金属アレルギーの心配がないメタルフリー素材

お口の中は、常に唾液で潤っているデリケートな環境です。 そのため、詰め物や被せ物がお体に与える影響も、大事な選択基準になります。

セラミックとジルコニアは、どちらも体に優しい「メタルフリー素材」です。

  • 金属アレルギーのリスクがない  保険診療で使われる銀歯は、複数の金属を混ぜ合わせた合金です。  この金属が唾液によって少しずつ溶け出し、体内に取り込まれます。  その結果、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。  アレルギー反応は、口内炎だけでなく、原因不明の手足の湿疹として現れることもあります。  セラミックとジルコニアは金属を一切含まないため、金属アレルギーの方でも安心して治療を受けられます。
  • 歯茎の変色(メタルタトゥー)を防ぐ  銀歯から溶け出した金属イオンが歯茎に沈着することがあります。  これにより、歯茎が黒ずんでしまう現象を「メタルタトゥー」と呼びます。  一度黒ずんだ歯茎は、自然に元の色に戻ることはありません。  メタルフリー素材のセラミックやジルコニアなら、この心配がありません。  健康的なピンク色の歯茎を長く保つことができます。

長期的な美しさ:変色やプラーク(歯垢)が付着しにくい性質

せっかく歯をきれいにするなら、その美しさをできるだけ長く保ちたいものです。 セラミックとジルコニアは、治療直後の美しさが長期間持続しやすいという優れた特徴を持っています。

  • 変色しにくい性質  セラミックもジルコニアも陶器の一種で、材質が非常に安定しています。  水分をほとんど吸収しないため、飲食物の色が付きにくいのが大きなメリットです。  コーヒーや紅茶、カレーなどを好む方でも、着色(ステイン)を気にする必要が少なくなります。  保険適用のプラスチック(レジン)は変色しやすいですが、セラミックやジルコニアは入れた時の白さや透明感を長く維持できます。
  • プラーク(歯垢)が付着しにくい  表面が非常に滑らかでツルツルしているのも、これらの素材の利点です。  虫歯や歯周病の原因となる細菌の塊である「プラーク」が付着しにくいのです。  毎日の歯磨きで汚れを簡単に落とせるため、お口の中を清潔に保ちやすくなります。  これは、治療した歯が再び虫歯になる「二次う蝕」や歯周病のリスクを低減させることにも繋がります。  研究でもジルコニアの長期的な成功率の高さが示されていますが、こうした材質の安定性も理由の一つと考えられます。

あなたに合うのはどっち?目的と部位で選ぶ5つのポイント

セラミックとジルコニアは、どちらも歯を美しく見せる優れた素材です。 しかし、それぞれに得意なことと、そうでないことがあります。

「自分の歯にはどちらが良いのだろう?」と悩むのは当然のことです。 大切なのは、次の2つの軸でご自身の希望を整理することです。

  1. 何を一番優先したいか(見た目の美しさ、強度など)
  2. どの歯を治療したいか(人目につきやすい前歯、力がかかる奥歯など)

この2つの軸を基に、あなたに最適な素材を見つけるための5つのポイントをご紹介します。 ご自身の希望と照らし合わせながら、じっくりとお読みください。

前歯の審美性を最優先するなら「オールセラミック(e-maxなど)」

人から一番見えやすい前歯の治療では、やはり見た目の自然さが重要になります。 そんな審美性(見た目の美しさ)を最優先したい方には、「オールセラミック」が適しています。

特に「e-max」と呼ばれる種類のオールセラミックは、ガラスを主成分としています。 そのため、天然の歯が持つ特有の透明感や光の透け感を、非常に美しく再現できます。

オールセラミックが前歯に適している理由

  • 高い透明感  隣り合うご自身の歯と見分けがつかないほど、色や質感を自然に合わせられます。
  • 豊かな色調表現  歯の先端の透明感や、根元に向かう色の変化など、細かなグラデーションを表現できます。
  • 体に優しい素材  金属を一切使用しないため、金属アレルギーの心配がありません。

近年の研究でも、前歯の修復においてセラミック材料は有効な治療選択肢だと報告されています。 見た目が美しいだけでなく、歯を削る量を抑えられる点もメリットです。

ただし、オールセラミックはジルコニアに比べると強度がやや劣ります。 そのため、噛み合わせが極端に強い方や、歯ぎしりの癖がある方の場合は注意が必要です。 歯科医師とよく相談し、慎重に検討することが大切になります。

強い力がかかる奥歯や歯ぎしりには「フルジルコニア」

食事の際に、ぐっと強い力で食べ物を噛み砕く奥歯。 寝ている間に無意識に歯ぎしりをしてしまう癖がある方。

このような強い力がかかる部位の治療には、圧倒的な強度を誇る「フルジルコニア」が適しています。 フルジルコニアは、ジルコニアという素材のみで作られた被せ物です。

ジルコニアは「人工ダイヤモンド」と称されることもあるほど頑丈な素材です。 割れたり欠けたりするリスクが、他の素材に比べて極めて低いのが大きな特徴です。

フルジルコニアが奥歯に適している理由

  • 卓越した強度  オールセラミックの数倍の強度があり、奥歯の被せ物やブリッジにも安心して使用できます。
  • 高い耐久性  長期的に安定した状態を保てます。研究では、ジルコニアを用いた修復物が10年、15年と優れた成功率を示すこともわかっています。
  • 体への優しさ  オールセラミックと同様に金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも安心です。

フルジルコニアは強度を最優先に考えられた素材のため、透明感は控えめです。 しかし、技術の進歩は目覚ましく、最近では見た目の自然さも大幅に向上したタイプが登場しています。

見た目と強度を両立させたいなら「ジルコニアセラミッククラウン」

「奥歯だけど、笑った時に見えるから見た目もきれいにしたい」 「前歯のブリッジで、美しさとしっかりとした強度が両方欲しい」

そんな方には、美しさと丈夫さを両立させた「ジルコニアセラミッククラウン」がおすすめです。 これは、内側に丈夫なジルコニアを使い、外側を美しいセラミックで覆った二層構造の被せ物です。

構造 素材 特徴
内側(フレーム) ジルコニア 噛む力に耐えるための強度を確保します。
外側(表面) セラミック 天然歯のような自然な透明感と色合いを実現します。

この構造により、奥歯の力に耐える強度と、前歯に求められる審美性を両立できます。 天然の歯の構造を模倣した材料設計の研究も進んでおり、これは先進的な治療法の一つです。

ただし、二層構造のため、強い衝撃で表面のセラミック部分だけが小さく欠ける可能性はあります。 この現象を「チッピング」と呼びますが、頻繁に起こるものではありません。

歯を削る量を抑えたい部分的な詰め物(インレー)での選択

虫歯治療などで歯を部分的に修復する場合、詰め物(インレー)を用います。 インレー治療でも、セラミックやジルコニアを選ぶことができます。

歯は一度削ると元には戻りません。 歯を削る量をなるべく少なく抑えることが、歯の寿命を延ばす上で非常に重要です。

  • セラミックインレー(e-maxなど)  比較的小さな虫歯の修復や、見た目が気になる部分に適しています。  セラミックは歯と化学的にしっかり接着するのが大きな利点です。  これにより、詰め物と歯の隙間から細菌が侵入し、再び虫歯になるリスクを低減できます。
  • ジルコニアインレー  強い力がかかる奥歯の大きな詰め物や、歯ぎしりの癖がある方におすすめです。 非常に頑丈なため、割れる心配がほとんどありません。  研究でも、歯が大きく失われた場合には強度のある材料が有効とされています。  ただし、ジルコニアは硬いため、噛み合う相手の歯を傷つけないよう、精密な調整が不可欠です。

どちらの素材が適しているかは、虫歯の大きさや位置、噛み合わせなどを総合的に判断して決定します。

銀歯を白くしたい、歯茎の黒ずみを解消したい場合の最適な選択

「口の中の銀歯が気になって、思いっきり笑えない」 「昔治療した歯の根元が、黒ずんできた気がする」

このようなお悩みには、セラミックやジルコニアによる治療が非常に有効です。 これらの素材は金属を一切使用しない「メタルフリー素材」です。 そのため、銀歯に関するお悩みを根本から解決できます。

銀歯のお悩みをメタルフリー素材で解決

  • 自然な白い歯に  口元の印象が明るくなり、清潔感のあるものに変わります。
  • 歯茎の黒ずみ(メタルタトゥー)の解消・予防  金属イオンが溶け出して歯茎を変色させる心配がありません。
  • 衛生的な口腔環境  表面が滑らかで汚れが付着しにくく、虫歯や歯周病のリスクを抑えます。

では、どちらの素材を選べば良いのでしょうか。 これは、これまでのポイントを基に、あなたの希望によって決まります。

  • とにかく自然な見た目を優先したい前歯  →オールセラミック
  • 強い力がかかる奥歯の強度を重視したい  →フルジルコニア
  • 見た目と強度のバランスを良くしたい  →ジルコニアセラミック

金属アレルギーの心配がなく、長期的に美しく健康な口内環境を保てます。 自信の持てる笑顔を取り戻すための、優れた選択肢と言えるでしょう。

治療前に知っておきたい費用・期間・寿命の疑問点4

セラミックやジルコニアできれいな歯を手に入れたいと考えたとき、期待は大きく膨らみます。 しかし同時に、現実的な疑問や不安が頭をよぎるのも当然のことです。

「費用は全部でいくらかかるのだろう?」 「治療には、何回くらい歯医者さんに通う必要があるの?」「せっかく入れたきれいな歯は、どのくらい長持ちするんだろう?」

こうした疑問を一つひとつ解消することが、安心して治療を受けるための第一歩です。 ここでは、費用・期間・寿命に関する4つのポイントを、詳しく解説していきます。

種類別の費用相場と医療費控除の活用について

セラミックやジルコニア治療は、原則として健康保険が適用されない「自由診療」です。 保険診療のように国が定めたルールがなく、使用できる材料や治療法に制限がありません。 そのため、より見た目が良く、長持ちする質の高い治療を提供できます。

治療費の負担を軽くするために、「医療費控除」という制度も知っておきましょう。 これは、1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費の合計が一定額を超えた場合に、税金の一部が戻ってくる制度です。申請には領収書が必須ですので、必ず大切に保管しておきましょう。

カウンセリングから装着までの治療期間と通院回数の目安

セラミックやジルコニアの治療は、お口の状態にもよりますが、比較的短い期間で完了します。 一般的な目安は以下のとおりです。

  • 治療期間の目安  約1ヶ月~2ヶ月
  • 通院回数の目安  約3回~5回

治療は、次のような流れで進んでいきます。

  1. カウンセリング・診査診断(1回目)  まず、患者さんのご希望や悩みを詳しく伺います。  その上でレントゲン撮影などを行い、お口の状態を正確に把握します。  治療計画や費用にご納得いただいてから、治療を開始します。
  2. 歯の形成・精密な型取り(2回目)  被せ物が入るように、歯を削って形を整えます(形成)。  そして、お口にぴったり合う被せ物を作るため、精密な型を取ります。  この日は日常生活に支障がないよう、仮歯を装着しますのでご安心ください。
  3. 仮合わせ・調整(3回目)  歯科技工士が作った被せ物を、実際にお口の中で合わせてみます。  形や色、噛み合わせなどを細かくチェックし、必要に応じて調整します。
  4. 最終装着(4回目)  完成した被せ物を、専用の強力な接着剤で歯にしっかりと装着します。  近年の研究では、この接着技術の進歩が治療の長期的な成功率を高めることがわかっており、非常に重要な工程です。

ただし、土台となる歯に虫歯や根の問題が見つかった場合は、そちらの治療が優先されます。 その場合、治療期間や通院回数は追加で必要になります。

セラミック・ジルコニアの耐用年数(寿命)と保証制度

セラミックやジルコニアは、材質が非常に安定しており、とても長持ちする素材です。 保険の銀歯の平均的な寿命が5~7年といわれるのに対し、10年以上の使用が期待できます。

特にジルコニアの耐久性は非常に高く、ある研究では、ジルコニアを用いたブリッジが10年、15年と長期にわたって優れた成功率を示したと報告されています。 しかし、これは何もしなくても長持ちするという意味ではありません。

被せ物の寿命は、日々のセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアに大きく左右されます。 以下のチェックポイントを心がけ、大切な歯を長持ちさせましょう。

長持ちさせるためのチェックポイント

  •  毎日の歯磨きを丁寧に行えていますか?  (治療した歯と歯茎の境目を意識して磨きましょう)
  •  歯間ブラシやデンタルフロスを使っていますか?  (歯ブラシだけでは届かない汚れを落とすことが重要です)
  •  歯ぎしりや食いしばりの癖はありませんか?  (無意識の強い力から歯を守るため、ナイトガードの使用も有効です)
  •  クリニックでの定期検診を受けていますか?  (自分では気づけない問題を早期に発見・対処できます)

まとめ

今回は、セラミックとジルコニアの違いや、ご自身の希望に合わせた選び方について詳しく解説しました。

どちらの素材にも優れた点があり、「これが唯一の正解」というものはありません。 大切なのは、見た目の美しさを最優先したい「前歯」なのか、噛む力に耐える頑丈さが必要な「奥歯」なのか、治療する場所とあなたの希望を照らし合わせることです。

この記事で得た知識は、あなたの理想の口元を具体的にするための第一歩です。 その想いをぜひカウンセリングで歯科医師に伝えてみてください。 専門家の視点も交えてじっくり話し合うことで、あなたにとって本当に納得のいく選択ができるはずです。 自信あふれる素敵な笑顔を手に入れましょう。

参考文献

  1. Alqutaibi AY, Alghauli MA, Almuzaini SA, Alharbi AF, Alsani AA, Mubarak AM and Alhajj MN. “Failure and complication rates of different materials, designs, and bonding techniques of ceramic cantilever resin-bonded fixed dental prostheses for restoring missing anterior teeth: A systematic review and meta-analysis.” Journal of esthetic and restorative dentistry 36, no. 10 (2024): 1396-1411.
  2. Frąckiewicz W, Szymlet P, Jedliński M, Światłowska-Bajzert M and Sobolewska E. “Mechanical characteristics of zirconia produced additively by 3D printing in dentistry – A systematic review with meta-analysis of novel reports.” Dental materials 40, no. 1 (2024): 124-138.
  3. Pinelli LAP, Ferreira I and Reis ACD. “Analysis of flexural strength and Weibull modulus of printed and milled zirconia: A systematic review.” The Journal of prosthetic dentistry (2025).
  4. Zhong Q, Zhai Z, Wu Z, Shen Y, Cao X, Qu F, Wu Y, Yao W and Xu C. “3D-finite element analysis and weibull analysis of maxillary first molar restored with endocrowns with different pulpal extensions compared with conventional crowns with post-and-core.” Computers in biology and medicine 185 (2025): 109516.
  5. Li Q, Liu Y, Zhao D, Yang Y, Liu Q, Zhang Y, Wu J and Dong Z. “Digital light printing of zirconia/resin composite material with biomimetic graded design for dental application.” Dental materials 41, no. 1 (2025): 16-27.

追加情報

[title]: Failure and complication rates of different materials, designs, and bonding techniques of ceramic cantilever resin-bonded fixed dental prostheses for restoring missing anterior teeth: A systematic review and meta-analysis.

前歯の欠損を修復するための異なる材料、デザイン、接着技術を用いたセラミックカンチレバー樹脂接着固定義歯の失敗率と合併症率:系統的レビューとメタアナリシス 【要約】

  • 目的  ・前歯の欠損を修復するためのセラミックカンチレバー樹脂接着固定義歯(RBFDPs)の材料、デザイン、接着方法に関して、臨床試験を評価することを目的とした。主な評価項目は、修復失敗率と臨床的合併症率である。
  • 方法  ・PubMed/MEDLINE、Scopus、Cochrane Libraryを含むデータベースで詳細な検索を行った。最新の検索は2023年10月に実施された。セラミックカンチレバーRBFDPsとダブルレテナーや異なるセラミック材料や接着システムを使用したカンチレバーRBFDPsを比較した臨床研究を対象とした。評価項目は修復失敗率と合併症率である。
  • 結果  ・12の研究が対象基準を満たした。カンチレバーデザインを使用した場合、合併症の発生率はダブルレテナーデザインと比較して有意に低下した(p<0.05)。しかし、修復失敗に関しては2つのデザイン間に差は見られなかった。カンチレバーRBFDPsの合併症率と失敗率は、リン酸モノマーを含む接着レジンと組み合わせる前のセラミックプライマーの使用の有無に関して、統計学的に有意な差はなかった(p>0.05)。
  • 結論  ・セラミックカンチレバーRBFDPsは、ダブルレテナーを持つ義歯と比較して合併症率が低い。セラミックカンチレバーRBFDPsにおいて、セラミックプライマーを使用してコンポジットレジンを接着することにより、合併症や失敗の発生率が低減されるが、統計的に有意な効果ではなかった。これらの結果を検証するためには、追加の研究が必要である。ガラスセラミック製のカンチレバーRBFDPsは、6年後に成功率が低下し、継続的なモニタリングが必要であるが、ジルコニアとガラス浸透性アルミナのカンチレバーRBFDPsは、10年と15年にわたる優れた長期的な成功率と生存率を示している。
  • 臨床的意義  ・前方のカンチレバーセラミックRBFDPsは、侵襲性が低く、良好な審美結果を提供する貴重な治療オプションである。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38623053

[quote_source]: Alqutaibi AY, Alghauli MA, Almuzaini SA, Alharbi AF, Alsani AA, Mubarak AM and Alhajj MN. “Failure and complication rates of different materials, designs, and bonding techniques of ceramic cantilever resin-bonded fixed dental prostheses for restoring missing anterior teeth: A systematic review and meta-analysis.” Journal of esthetic and restorative dentistry : official publication of the American Academy of Esthetic Dentistry … [et al.] 36, no. 10 (2024): 1396-1411.

[title]:

歯科での3Dプリンティングによって加法的に作られたジルコニアの機械的特性 – 新たな報告の体系的なレビューおよびメタ分析 【要約】

  • 目的: セラミックスの加法的および減法的な技術を用いた製造方法のメカニカルパラメータを比較することを目的とした研究。
  • 方法: 2023年4月5日に4つの検索エンジンで検索を行い、研究タイプごとの評価尺度を用いた品質評価を行った。可能な場合はメタ分析も行った。
  • 情報源: PubMed、PubMed Central、Embase、Web of Science、Scopusからデータを収集。
  • 研究選択: 検索戦略により686件の潜在的な論文が特定され、19件の論文が質的分析の対象となり、11件の論文からはメタ分析が行われた。選ばれた研究は高品質または中程度の品質であり、すべての論文は実験室内での研究であった。臨床試験は文献中に見つからなかった。
  • 結論の重要性: 加法的技術で作られるセラミックスは、フライス加工技術で作られるセラミックスと機械的パラメータの面で競合することができる。まだこの種の材料を患者の永久修復に使用すると示す臨床研究は存在しない。文献中に示された研究は、研究デザインや結果の報告において大きく異なっている。この研究は外部からの資金提供を受けていない。 【著作権情報】 著作権情報は省略しました。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37940500

[quote_source]: Frąckiewicz W, Szymlet P, Jedliński M, Światłowska-Bajzert M and Sobolewska E. “Mechanical characteristics of zirconia produced additively by 3D printing in dentistry – A systematic review with meta-analysis of novel reports.” Dental materials : official publication of the Academy of Dental Materials 40, no. 1 (2024): 124-138.

[title]: Analysis of flexural strength and Weibull modulus of printed and milled zirconia: A systematic review.

3Dプリントと切削加工によるジルコニアの曲げ強度とワイブル係数の分析:系統的レビュー 【要約】

  • 本系統的レビューの目的は、付加製造(AM)と減算製造(SM)によって作製されたジルコニアの曲げ強度(FS)とワイブル係数(m)を比較した研究を評価することである。
  • PubMed、Science Direct、Embase、Web of Science、Scopusデータベースを対象に、2019年から2024年までのジルコニア、酸化ジルコニウム、3Dプリンティング、付加製造、曲げ、曲げ強度に関するキーワードを用いて検索を行い、手動検索も併用した。
  • 歯科用ジルコニアの3Dプリントに使用できるAM技術は限られており、最も使用されているのはステレオリソグラフィー(SLA)、デジタル光プロセッシング(DLP)、リソグラフィーベースのセラミック製造(LCM)システムである。
  • 一般的に、切削加工によって得られた試料の方が、3Dプリント試料よりも高いFSとmを示した。
  • 3Dプリントジルコニアは、曲げ強度とワイブル係数が減算製造ジルコニアよりも低いものの、依然として十分な臨床性能を発揮できると考えられるため、口腔リハビリテーションへの使用に大きな可能性を秘めている。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40541537

[quote_source]: Pinelli LAP, Ferreira I and Reis ACD. “Analysis of flexural strength and Weibull modulus of printed and milled zirconia: A systematic review.” The Journal of prosthetic dentistry , no. (2025): .

[title]: 3D-finite element analysis and weibull analysis of maxillary first molar restored with endocrowns with different pulpal extensions compared with conventional crowns with post-and-core.

上顎第一大臼歯の修復におけるエンドクラウンと従来型クラウンの破折・脱着抵抗に関する3次元有限要素解析とワイブル解析 【要約】

  • 背景: 大量の歯冠部破壊を伴う根管治療済歯の修復は依然として臨床上の課題であり、ファイバー強化コンポジット(FRC)ポストとレジンコアを用いた従来型クラウンとエンドクラウン(EC)のどちらが適応で、どの材料や歯髄延長を使用すべきかについての確立されたガイドラインはない。
  • 目的: 重度に損傷した上顎第一大臼歯(MFM)の修復において、セラミックECと従来のジルコニアクラウンおよびFRCポストとレジンコアを用いた修復後の破折抵抗と脱着抵抗を比較することで、エビデンスを提供する。
  • 方法: 近心・咬合・遠心・口蓋側の欠損のあるMFMモデルを作成し、異なる修復方法(C-FRC:FRCポストを用いた従来型クラウン、EC-Zr-3/4/5:3/4/5mmの歯髄延長を持つジルコニアEC、EC-Li-3/4/5:3/4/5mmの歯髄延長を持つジスシリケートEC)で修復した。垂直荷重(歯の長軸に沿って400N)と、45度の角度で頬側に加える側方荷重(225N)の2つの荷重条件を適用し、7つのモデルについて3次元有限要素解析とワイブル解析を行った。
  • 結果: 垂直荷重と側方荷重の両方において、残存歯質における最大モワー・クーロン応力比(MσMC比)はC-FRC群が最も低かった(それぞれ0.2646と0.2815)。セメントにおけるMσMC比は、両方の荷重条件下でEC-Li-5群が最も低かった(それぞれ0.07660と0.3177)。接着界面における最大せん断応力は、両方の荷重条件下でEC-Li-3群が最も低かった(それぞれ5.700 MPaと20.48 MPa)。
  • 結論: 近心・咬合・遠心・口蓋側の欠損のあるMFMの修復には、FRCポストとレジンコアを用いた従来型クラウンが依然として適している。従来の修復が適用できないMFMには、歯髄延長3mmのジスシリケートECが選択肢となる可能性がある。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39657445

[quote_source]: Zhong Q, Zhai Z, Wu Z, Shen Y, Cao X, Qu F, Wu Y, Yao W and Xu C. “3D-finite element analysis and weibull analysis of maxillary first molar restored with endocrowns with different pulpal extensions compared with conventional crowns with post-and-core.” Computers in biology and medicine 185, no. (2025): 109516.

[title]: Digital light printing of zirconia/resin composite material with biomimetic graded design for dental application.

summary: ## 【タイトル】 歯科用途向け生体模倣傾斜設計によるジルコニア/レジン複合材料のデジタル光造形

【要約】

  • 本研究の目的は、(1) 生体模倣傾斜ジルコニア/レジン複合材料を合成すること、(2) 生体模倣傾斜ジルコニア/レジン複合材料の機械的特性をエナメル質と象牙質に近づけるように、気孔率と構造を制御することである。
  • 3DMaxとMagicsを用いて、幅が異なる(1.6 mm、1.8 mm、1.9 mm、2.0 mm、2.2 mm)生体模倣均一ジルコニアスキャフォールドと生体模倣傾斜(1.6 mm-2.2 mm)ジルコニアスキャフォールドを設計し、デジタル光造形3Dプリンティングで製造した後、歯科用レジンに浸透させて、機械的試験、有限要素解析、細胞毒性試験を行った。
  • 結果として、セラミック-ポリマー複合材料は、ジルコニアセラミックスキャフォールドと比較して、強度(1.37倍増加)と靭性(2.08倍増加)が大幅に改善され(P < 0.05)、構造設計の有効性が示された。さらに、傾斜設計は複合材料の機械的強度をさらに向上させる。特に、傾斜複合クラウンは、曲げ強度が138.3(±16.7)MPa、靭性が9.0(±0.5)MJ/m3、圧縮強度が113.7(±2.6)MPaと、天然のエナメル質と象牙質に匹敵する値を示し、良好な生体安全性も示した。
  • 一連の研究を通じて、生体模倣傾斜ジルコニア/歯科用レジン材料を精密に製造することができ、臨床治療効果のさらなる向上が見込まれる。同時に、この戦略的な設計は、他の歯科材料の性能向上のための新しいアイデアも提供する。
  • 天然の歯の機械的特性に合わせた、傾斜ジルコニア/レジン複合材料を精密に製造し、臨床治療成績を大幅に向上させることが期待される。さらに、この戦略的設計は、他の歯科材料の性能を向上させるための新たな知見を提供する。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39472196

[quote_source]: Li Q, Liu Y, Zhao D, Yang Y, Liu Q, Zhang Y, Wu J and Dong Z. “Digital light printing of zirconia/resin composite material with biomimetic graded design for dental application.” Dental materials : official publication of the Academy of Dental Materials 41, no. 1 (2025): 16-27.