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子供の呼吸と睡眠無呼吸症候群

お子さんの大きないびきや、いつもぽかんと開いているお口。「子供らしくて可愛い」「成長すれば治るだろう」と、何気なく見過ごしていませんか。その無邪気な寝顔の裏には、健やかな成長を妨げる重大なサインが隠れているかもしれません。

実は、子供のいびきや口呼吸は、睡眠の質を著しく低下させる「睡眠時無呼吸症候群」の危険信号である可能性があります。これを放置すると、顎の成長が妨げられ、将来の歯並びや顔つきが変化するだけでなく、集中力の低下など学習能力にまで深刻な影響を及ぼすことが指摘されています。

この記事では、お子さんの身体が発する危険なサインの見分け方から、放置が招く恐ろしい影響、そして具体的な治療法までを詳しく解説します。お子さんの輝かしい未来を守るために、今すぐできることを見つけていきましょう。

子供の睡眠時無呼吸症候群でみられる5つのサイン

夜、お子さんの寝息を聞いて、「いびきが大きいかな?」「なんだか呼吸が苦しそう」と心配になったことはありませんか。

子供のいびきは、単なる寝癖や疲れのせいだけではないかもしれません。 もしかしたら、それは身体が発している大切なサインの可能性があります。

ここでは、お子さんの睡眠時無呼吸症候群の可能性に気づくための、代表的な5つのサインについて、わかりやすくご説明します。 一つでも当てはまることがあれば、ぜひ注意深く観察してみてください。

大きないびきと呼吸の一時的な停止

「子供のいびきは元気な証拠」と思われがちですが、注意が必要な場合があります。 特に、毎晩のように大きないびきをかいている場合は危険なサインです。 いびきの間に呼吸が止まっているように見えるなら、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。

睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に空気の通り道である「気道」が狭くなったり、ふさがったりすることで起こります。 これにより、呼吸が一時的に止まったり、浅くなったりする状態を指します。 お子さんの睡眠中に、次のような様子が見られないか確認してみましょう。

【睡眠中のチェックポイント】

  • いびきの音  大人がかくような「ガーガー」という大きないびきや、「ヒーヒー」と笛のような音がする。
  • 呼吸の停止  いびきが突然止まり、10秒以上息をしていない時間がある。
  • 呼吸の再開  息が止まった後、「ハッ」とあえぐように、または大きなため息と同時に呼吸を再開する。
  • 胸の動き  呼吸が止まっている間も、胸やお腹が苦しそうに上下している。

このような状態が繰り返されると、眠っている間に身体の中の酸素が不足してしまいます。 脳や身体の成長に深刻な影響を与えてしまう可能性があるのです。 お子さんの健やかな成長を守るためにも、たかがいびきと軽視しないでください。

常に口が開いている「口呼吸」と特徴的な顔つき「アデノイド顔貌」

起きている時に、お子さんの口がぽかんと開いていることはありませんか。 これは「口呼吸」のサインであり、睡眠中の呼吸の問題と深く関係しています。

本来、呼吸は鼻で行うのが自然です。 鼻には、吸い込んだ空気を温めて加湿し、ウイルスなどを取り除くフィルターの役割があります。 しかし、アレルギー性鼻炎やアデノイド(咽頭扁桃)の腫れなどで鼻づまりが続くと、口で呼吸する癖がついてしまいます。

この口呼吸が長く続くと、お顔の成長に影響を及ぼすことがあります。 「アデノイド顔貌」と呼ばれる特徴的な顔つきになることが知られています。 これは、睡眠呼吸障害の危険因子の一つとも考えられています。

【アデノイド顔貌の主な特徴】

  • いつも口がぽかんと開いている
  • 唇が乾燥して厚ぼったい
  • 鼻の下が長く、顔全体がのっぺりとした印象
  • 下あごが小さく、後ろに下がって見える
  • 歯並びが悪く、上の前歯が出ている(出っ歯)
  • 目の下に青黒いクマ(アレルギー性シャイナー)がある

口呼吸を続けていると、舌が正しい位置(上あご)に収まらなくなります。 その結果、上あごの成長が妨げられ、歯が並ぶスペースが不足してしまうのです。 ある研究では、口呼吸やアデノイド顔貌は、子供の睡眠呼吸障害のリスクを高める可能性があると報告されています。 お子さんの顔つきの変化は、身体からの重要なメッセージなのです。

落ち着きのなさ・集中力の低下・日中の強い眠気

「うちの子は落ち着きがない」「授業に集中できていないみたい」といったお悩みはありませんか。 それは睡眠の質が関係しているかもしれません。 夜間にぐっすり眠れていないと、脳や身体が十分に休息できず、日中の活動にさまざまな影響が出てきます。

睡眠時無呼吸症候群のお子さんは、夜間に何度も呼吸が止まりかけます。 そのたびに、脳が危険を察知して目を覚ましかけているのです。 本人は眠っているつもりでも、実は脳は深い眠りに入れていません。 その結果、日中に以下のようなサインが見られることがあります。

【日中の行動でみられるサイン】

  • 朝、なかなか起きられない、機嫌が悪い
  • 日中、特に午前中にぼーっとしていることが多い
  • 授業中などに居眠りをしてしまう
  • ささいなことでイライラしたり、攻撃的になったりする
  • 集中力が続かず、学習に遅れがみられる
  • じっとしているのが苦手で、そわそわと動き回る

これらの行動は、性格の問題や、時には発達障害(ADHDなど)と間違われることもあります。 しかし、根本的な原因が睡眠の質の低下にあることも少なくありません。 お子さんの日中の様子で気になることがあれば、夜の睡眠の様子とあわせて観察してみてください。

極端に悪い寝相や夜中に何度も起きる中途覚醒

睡眠中に気道が狭くなると、身体は無意識のうちに少しでも楽に呼吸ができる姿勢を探そうとします。 そのため、ベッドの上を転がりまわったり、頭と足の位置が逆になったりするなど、極端に寝相が悪くなるのです。

【睡眠中の体勢や行動のチェックポイント】

  • 一晩中、ベッドの端から端まで動き回る
  • 首を後ろに反らせるような姿勢(万歳のような格好)で寝る
  • うつ伏せや、座ったような姿勢で寝ることが多い
  • 年齢に合わず、おねしょ(夜尿)を繰り返す
  • 夜中に何度も目を覚ます(中途覚醒)
  • 悪夢をよく見る、うなされる

特に、首を反らせる姿勢は、気道を少しでも広げようとする無意識の行動です。 また、呼吸が苦しくなることで脳が覚醒し、夜中に何度も目が覚めてしまいます。 激しい寝相や中途覚醒は、お子さんが「眠りながらもがいている」サインと捉えることが大切です。

食事に時間がかかる・飲み込みにくい・風邪をひきやすい

睡眠時の呼吸の問題は、食事の様子や体調にも影響を及ぼすことがあります。 口呼吸が習慣になっているお子さんでは、口周りの筋肉の使い方が不自然になります。 そのため、食べること(咀嚼)や飲み込むこと(嚥下)がスムーズにできなくなるのです。

また、鼻の持つフィルター機能が使えないため、免疫力の低下にもつながります。 研究によると、鼻炎による持続的な鼻づまりと口呼吸が、アデノイド顔貌の主な原因とされています。 これは、見た目だけでなく、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。

【食事や体調でみられるサイン】

  • 食事について
    • 食べるのにとても時間がかかる
    • よく噛まずに丸飲みする傾向がある
    • クチャクチャと音を立てて食べる
    • 口から食べ物をこぼしやすい
    • 水やお茶で流し込むように食べる
  • 体調について
    • 頻繁に風邪をひく
    • 一度ひくと長引きやすい
    • 中耳炎や扁桃炎を繰り返す

口呼吸によって口の中が乾燥しやすくなることも、虫歯や口臭の原因となります。 一見すると睡眠とは関係ないように思えるこれらのサインも、根本的な原因を探ると、鼻呼吸ができていないことにたどり着くケースは少なくありません。

放置が招く子供の成長への3つの悪影響

お子さんの大きないびきや、いつもぽかんと開いているお口。 「子供の頃はみんなそう」「成長すれば自然に治る」と思っていませんか。

実は、子供のいびきや口呼吸は、質の良い睡眠がとれていないサインです。 そのままにしておくと、お子さんの心と身体の健やかな成長に、思わぬ影を落とすことがあります。

特に、顎の成長や歯並び、学習能力など、将来にわたって関わる部分に影響が及ぶ可能性があります。 お子さんの未来を守るためにも、身体が発する小さなサインを見逃さないことが大切です。

顎の正常な発達が妨げられ歯並びが悪化する(開咬・交叉咬合)

お子さんの口呼吸を「ただの癖」と考えていると、将来の歯並びに大きく影響することがあります。 なぜなら、空気の通り道である「気道」の状態と、顎や顔の発達には、とても深い関係があるからです。

本来、私たちの舌は、上あごのくぼみにぴったり収まっているのが正しい位置です。 この舌が、上あごを内側から適度に押し広げ、きれいなU字型に成長するのを助けています。

しかし、口呼吸が癖になると舌の位置が下がり、この大切な役割を果たせなくなります。 その結果、上あごの成長が足りなくなり、歯が並ぶスペースが不足してしまうのです。 これにより、次のような歯並びの問題が起こりやすくなります。

【口呼吸によって起こりやすい歯並びの問題】

  • 開咬(かいこう)  奥歯でかんでも前歯がかみ合わず、すき間ができてしまう状態です。
  • 交叉咬合(こうさこうごう)  上下の歯が横にずれて、ハサミのようによじれてかみ合ってしまう状態です。

ある研究では、こうした特徴的な歯並びや、下あごが後ろに下がっているといった骨格の特徴は、お子さんの睡眠時無呼吸のリスクを高める可能性があると報告されています。 顎や顔の骨格は、眠っている間の呼吸のしやすさに直接関わっています。 そのため、歯並びが気になったら、早めに専門家へ相談することが重要です。

口呼吸が顎の成長に及ぼす影響

口呼吸が長く続くと、顎の成長のバランスが崩れてしまいます。 そして、「アデノイド顔貌」と呼ばれる特徴的な顔つきになることがあります。 これは、アレルギー性鼻炎などによる慢性的な鼻づまりが原因で起こります。

鼻がつまって口で呼吸するようになると、お口周りの筋肉の使い方が変わってしまいます。 この筋肉のアンバランスが、顎の骨が育つ方向を変えてしまうのです。

項目 正常な鼻呼吸のとき 習慣的な口呼吸のとき
口の周りの筋肉 適度に引き締まっている 常にゆるんで、ぽかんと開いている
頬の筋肉の圧力 バランスが取れている 内側へ歯並びを締め付ける圧力が強まる
舌の位置 上あごについている 本来の位置より下の方へ落ち込んでいる

このような状態が続くと、上あごは横に広がらず、縦に細長く成長してしまいます。 その結果、以下のようなアデノイド顔貌の特徴が現れることがあります。

【アデノイド顔貌の主な特徴】

  • 顔が面長でのっぺりとした印象になる
  • 上あごが前に出て、下あごが後ろに下がって見える
  • 唇がぽかんと開いていて、口元がゆるい
  • ぼーっとした表情に見える
  • 目の下に青黒いクマ(アレルギー性シャイナー)ができる

研究によると、アデノイド顔貌は見た目の問題だけではありません。 かみ合わせの異常や、顎関節の不調、さらには睡眠時無呼吸症候群といった機能的な問題につながる可能性があるため、注意が必要です。

鼻呼吸が顎と顔の成長に重要な理由

お子さんの健やかな成長にとって、なぜ「鼻呼吸」がそれほど大切なのでしょうか。 それは、鼻呼吸が顎と顔の骨格を正しく発達させるための土台になるからです。

近年の研究で、気道(空気の通り道)と顔や顎の骨格の発達は、お互いに影響しあっていることがわかってきました。 鼻で正しく呼吸をすることで、顔や顎は理想的な形に成長していくのです。

鼻で呼吸をすると、舌は自然と正しい位置、つまり上あごの裏側に収まります。 この舌の圧力が、いわば「天然の矯正装置」のように働き、上あごを適切な広さに成長させてくれます。 これにより、将来大人の歯(永久歯)が生えそろうための十分なスペースが確保され、きれいな歯並びにつながるのです。

【鼻呼吸がもたらす良い成長のサイクル】

  1. 鼻で呼吸する  鼻のフィルター機能が働き、きれいで温かい空気が体内に入ります。
  2. 口が閉じる  口周りの筋肉のバランスが整い、顔つきが引き締まります。
  3. 舌が上あごにつく  舌の力で上あごが内側から広げられ、正しく成長します。
  4. きれいな歯並びの土台が育つ  将来、歯がきれいに並ぶためのスペースが確保されます。
  5. 気道が広がる  顎が健全に発達することで気道が確保され、質の良い睡眠につながります。

このように、鼻呼吸は単に空気を吸う行為ではありません。 お子さんの顔の形や歯並びを決定づける、非常に重要な役割を担っています。 もし鼻炎などで鼻づまりがある場合は、それを早期に治療することが、顎顔面の健全な発育と、将来の健康を守るための第一歩です。 耳鼻咽喉科の医師と矯正歯科の歯科医師が連携し、多角的な視点からお子さんの成長をサポートすることが大切になります。

子供の睡眠時無呼吸症候群の検査と代表的な治療法4

お子さんの大きないびきや口呼吸に気づいたとき、「このままにしておいて大丈夫だろうか」と心配になりますよね。

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、まずは医療機関で正確な診断を受けることが何よりも大切です。 睡眠中の呼吸の状態を詳しく調べる検査(ポリソムノグラフィー検査)などを行います。 診断や治療の遅れは、お子さんの学習能力や行動面に影響を及ぼす可能性も指摘されています。

治療法は、お子さんの症状や原因によってさまざまです。 アデノイドや扁桃腺が大きい場合は手術が選ばれることもあります。 しかし、それ以外にも顎の成長を助ける矯正治療など、いくつかの選択肢があります。ここでは、代表的な治療法を4つご紹介します。

機能的矯正装置による呼吸トレーニングと口腔筋機能療法

お子さんの口呼吸やいびきの原因が、お口周りの筋肉が弱かったり、間違った使い方をしていたりすることにある場合があります。 そのようなときに有効なのが、お口の筋トレである「口腔筋機能療法(MFT)」です。

これは、舌や唇、頬の筋肉を正しく使えるように鍛えるリハビリテーションです。 筋肉を鍛えることで、自然と鼻で呼吸する習慣を身につけることを目指します。 この治療では、「機能的矯正装置」という既製のマウスピースのような装置を使いながら、ご家庭で毎日簡単なトレーニングを行います。

【口腔筋機能療法(MFT)の主な目的】

  • 舌を正しい位置に置く  舌の置き場所は上あごが基本です。  この位置に自然と収まるようにトレーニングします。
  • 口を閉じる筋肉を鍛える  お口周りの筋肉を強化し、ぽかん口を防ぎます。
  • 正しい飲み込み方を覚える  食事の際に、舌を正しく使って飲み込めるように練習します。
  • 鼻呼吸の習慣化  トレーニングを通じて、無意識に鼻で呼吸できるよう導きます。

舌は筋肉の塊です。この舌が正しい位置にあることが、気道を広げ、スムーズな呼吸につながります。 お口の機能を正しく整えることは、顎の健やかな成長を促すことにもなるのです。 ただし、こうした装置やトレーニングだけで全てが解決するわけではありません。 お子さんの状態に合わせた総合的な治療計画の一つとして、専門家と相談しながら進めることが大切です。

歯科・矯正歯科で行う急速上顎拡大装置や口腔筋機能療法(MFT

お子さんの睡眠時無呼吸の原因の一つに、上あごが小さいことが挙げられます。 上あごが狭いと、鼻の通り道(鼻腔)も狭くなり、鼻呼吸がしにくくなるのです。 この場合、歯科や矯正歯科で行う「急速上顎拡大装置」を使った治療が有効な場合があります。

これは、お子さんの成長する力を利用して、上あごの骨をゆっくりと広げていく矯正装置です。 装置の中央にあるネジを少しずつ回すことで、上あごの真ん中にある骨のつなぎ目を広げます。 上あごの骨は鼻腔の底でもあるため、ここを広げることで鼻の通りが良くなるのです。

近年の研究では、空気の通り道である「気道」と、顔や顎の骨格は、お互いに影響し合いながら成長することがわかっています。 そのため、矯正歯科医がお子さんの呼吸の問題を解決する上で、重要な役割を担うことがあります。

この治療は、先ほどご紹介した口腔筋機能療法(MFT)と一緒に行うことで、より良い結果が期待できます。ただし、顎の骨の成長が終わってしまうと、この治療はできません。 適切な時期に行うことが非常に重要ですので、気になる場合は早めに矯正歯科で相談しましょう。

フェイシャルパターンが顎顔面の成長にどう影響するか

「フェイシャルパターン」とは、一人ひとりが生まれつき持っている顔の骨格のタイプのことです。 この骨格のタイプは、顎や顔がどのように成長していくかに大きく影響します。

特に、アレルギー性鼻炎などで慢性的な鼻づまりがあり、口呼吸が長く続くと、顔の成長に特徴的な変化が現れることがあります。 これが「アデノイド顔貌」です。

【アデノイド顔貌につながる口呼吸の影響】

  • 舌の位置が下がる  口で呼吸すると、舌が正しい位置(上あご)から離れてしまいます。
  • 上あごが成長しない  舌による内側からの支えがなくなり、上あごが狭く、縦に長い形に成長します。
  • 筋肉のバランスが崩れる  頬の筋肉が歯並びを内側に締め付ける力が強くなり、出っ歯やデコボコの歯並びの原因になります。

このように、呼吸の仕方は、お子さんの将来の顔つきを決める重要な要素の一つです。 顔や顎の骨格の形は、睡眠中の呼吸のしやすさに直結します。 つまり、アデノイド顔貌は見た目の問題だけでなく、睡眠時無呼吸症候群のリスクを高めるサインでもあるのです。 早期に呼吸の問題に気づき、鼻炎などの根本的な原因を治療しながら、必要に応じて矯正治療を行うことが、健やかな顔の成長をサポートします。

CPAP(シーパップ)療法やマウスピース治療の概要と効果

睡眠時無呼吸症候群の治療法として、主に大人で使われることが多いですが、お子さんの状態によっては「CPAP(シーパップ)療法」や「マウスピース治療」が検討されることもあります。 これらは、手術が難しい場合や、他の治療で十分な効果が得られない重症の場合などに選択されます。

CPAP(シーパップ)療法】

  • どのような治療?  寝るときに鼻にマスクをつけ、機械で圧力をかけた空気を送り込みます。  空気の力で、眠っている間に喉がふさがってしまうのを防ぎます。
  • どんな効果がある?  物理的に気道を開いたままにできるため、無呼吸やいびきを大きく減らす効果が期待できます。

【マウスピース(口腔内装置)治療】

  • どのような治療?  お子さん一人ひとりの歯形に合わせて作ったマウスピースを、寝るときに装着します。  下のあごを少し前に出した状態で固定する仕組みです。
  • どんな効果がある?  下のあごが前に出ることで、舌の付け根が持ち上がり、喉の奥の気道が広がります。

お子さんの睡眠時無呼吸症候群は、原因が一つではありません。 扁桃やアデノイドの大きさ、肥満、骨格の問題など、様々な要因が考えられます。 そのため、世界的に見ても、まずは睡眠検査で正確な診断を行い、その原因に合った治療法を選ぶことが重要とされています。 これらの治療を検討する際は、専門の医師とよく相談し、お子さんにとって本当に必要かどうかを慎重に判断することが大切です。

まとめ

今回は、お子さんの睡眠時無呼吸症候群のサインと、それが成長に与える影響について解説しました。

大きないびきやぽかんと開いたお口は、「子供にはよくあること」と見過ごされがちですが、実は顎の成長や歯並び、さらには日中の集中力にまで影響を及ぼす重要なサインかもしれません。 質の高い睡眠は、お子さんの心と身体が健やかに育つための大切な土台です。

もしこの記事でご紹介したような気になる様子があれば、「そのうち治るだろう」と自己判断せず、まずは耳鼻咽喉科や矯正歯科などの専門家へ相談してみましょう。 早期に気づき、対応することが、お子さんの輝かしい未来を守ることにつながります。

参考文献

  1. Hansen C, Markström A, Sonnesen L. “Specific dento-craniofacial characteristics in non-syndromic children can predispose to sleep-disordered breathing.” Acta paediatrica (Oslo, Norway : 1992) 111, no. 3 (2022): 473-477.
  2. Ding Y, Xu Y, Han S, Gao M, Wang L, Xu S, Guo T, Bai H. “Clinical features, pathophysiological mechanisms, and multidisciplinary management strategies for rhinitis-induced adenoid facies in children and adolescents: a review.” Frontiers in allergy 6, no. (2025): 1650119.
  3. Fitzgerald DA, MacLean J, Fauroux B. “Assessment of obstructive sleep apnoea in children: What are the challenges we face?” Paediatric respiratory reviews 53, no. (2025): 35-38.
  4. Tzur-Gadassi L, Hevroni A, Gross M, Davidovich E. “[Pediatric obstructive sleep apnea–an orthodontic perspective].” Refu’at ha-peh veha-shinayim (1993) 31, no. 3 (2014): 48-58, 63.
  5. [Reflections on the current state of early orthodontic treatment].

追加情報

[title]: Specific dento-craniofacial characteristics in non-syndromic children can predispose to sleep-disordered breathing.

非症候群児における睡眠時無呼吸症候群と特定の顎顔面特徴の関連性 【要約】

  • 本論文は、非症候群児における睡眠時無呼吸症候群(SDB)と関連する特定の臨床的な顎顔面特徴を明らかにすることを目的とした文献レビューである。
  • オンラインデータベースから、SDB、歯列咬合、頭蓋顔面形態に関する文献を検索し、臨床例と図解を用いて顎顔面特徴とSDBの関連性を調べた。 身体的または精神的な診断を受けていない健康な非症候群児に関する出版物のみを対象とした。
  • 前方開口咬合、過蓋咬合、交叉咬合などの顎顔面特徴、ならびに下顎後退と傾斜による凸面貌、狭くて高い口蓋などが、非症候群児のSDBの発症リスクを高める可能性があることが示された。
  • さらに、頭部姿勢の伸展、口呼吸、一般的なアデノイド顔貌は、非症候群児におけるSDBの症状または危険因子となる可能性がある。
  • 前方開口咬合、下顎後退による過蓋咬合、交叉咬合、狭くて高い口蓋といった顎顔面特徴、そして凸面貌、頭部姿勢の伸展、口呼吸、一般的なアデノイド顔貌といった顔貌特徴は、非症候群児のSDBの発症リスクを高める可能性がある。医師と歯科医師の学際的な連携が、非症候群児におけるSDBの診断、予防、治療において重要である。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34847264

[quote_source]: Hansen C, Markström A and Sonnesen L. “Specific dento-craniofacial characteristics in non-syndromic children can predispose to sleep-disordered breathing.” Acta paediatrica (Oslo, Norway : 1992) 111, no. 3 (2022): 473-477.

[title]: Clinical features, pathophysiological mechanisms, and multidisciplinary management strategies for rhinitis-induced adenoid facies in children and adolescents: a review.

小児・思春期における鼻炎誘発性アデノイド顔貌:臨床像、病態生理機序、および多職種連携による治療戦略に関するレビュー 【要約】

  • 鼻炎による持続的な鼻閉と口呼吸が、小児・思春期における特徴的な「鼻炎顔貌」または「アデノイド顔貌」の発症の主要因である。
  • 鼻炎顔貌の臨床症状として、持続的な口呼吸姿勢、中顔面低形成や下前顔面高さが増大した「ロングフェイス症候群」などの顔面骨格成長異常、上顎狭窄、高口蓋、下顎後退などの顎形態・位置異常、前傾した上顎切歯、口唇閉鎖不全、狭い歯列弓、開咬などの様々な歯列不正などが挙げられる。
  • その他、アレルギー性シャイナー(静脈うっ血や色素沈着による目の下のクマ)、デニー・モーガン線(アトピーに関連する眼窩下皺)、一部患者におけるまつげの過剰な成長(慢性炎症による可能性)などの眼周囲皮膚の変化もみられる。また、鼻には反復的な鼻摩擦による横鼻溝(「アレルギー性敬礼」徴候)がみられることもある。
  • 病態生理機序としては、慢性鼻閉塞によって引き起こされる口呼吸パターンが開始因子であり、口腔顔面筋力のバランスを変化させ、正常な舌の位置と機能を妨げ、顎顔面骨格の正常な成長軌跡に影響を与える。これらに加えて局所炎症反応や機械的刺激が複合的に作用し、複雑な顔面特徴の発現に寄与する。
  • 臨床評価には、病歴、詳細な身体診察、鼻内視鏡検査、画像検査(X線、CT、CBCT)、頭部計測分析、鼻通気度検査、アレルゲン検査など、包括的なアプローチが必要である。
  • 鼻炎顔貌は、見た目の影響だけでなく、重度の顎顔面骨格変形、歯列不正、顎関節機能障害、睡眠時無呼吸症候群などを引き起こす可能性がある。また、呼吸生理、運動耐容能、言語明瞭度、心理的健康、生活の質にも大きな影響を与える可能性がある。成長停止後も骨格の適応変化は減少するものの、その長期的な影響は成人期まで続く可能性がある。
  • 鼻炎が目を大きくするとの考えについては、科学的根拠はない。目の大きさの知覚は、アレルギー性シャイナー、デニー・モーガン線、軽度の眼瞼浮腫による視覚的コントラスト効果の可能性が高い。
  • 鼻炎顔貌を女性で魅力的と考える世間の意見については、科学的根拠はなく、主観的な知覚や文化的現象である可能性が高い。医学的には、鼻炎顔貌は積極的な介入が必要な病態とみなされる。
  • 治療戦略としては、原疾患(例:アレルギー性鼻炎、アデノイド肥大)の早期診断と積極的な治療、口腔顔面筋機能療法などの方法による不適切な口呼吸習慣の是正、必要に応じて矯正医や顎顔面外科医による介入(例:急速上顎拡大、固定式矯正治療)など、多職種連携によるアプローチが重視される。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40964070

[quote_source]: Ding Y, Xu Y, Han S, Gao M, Wang L, Xu S, Guo T and Bai H. “Clinical features, pathophysiological mechanisms, and multidisciplinary management strategies for rhinitis-induced adenoid facies in children and adolescents: a review.” Frontiers in allergy 6, no. (2025): 1650119.

[title]: Assessment of obstructive sleep apnoea in children: What are the challenges we face?

【要約】

  • 小児における睡眠時呼吸障害の評価に対する需要が高まっている。これは、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の診断不足と治療不足による有害な神経認知および行動上の結果を防ぐためである。
  • OSAは、寄与する主な特徴に基づいて、大きく3つのカテゴリーに分類できる。(1)扁桃腺とアデノイドの肥大(OSAタイプ1)、(2)肥満(OSAタイプ2)、(3)頭蓋顔面異常、症候群、貯蔵病、神経筋疾患(OSAタイプ3)。
  • 睡眠に関する質問票や体格指数(BMI)の計算だけでは、OSAの予測精度が低い。
  • 世界的に、三次医療機関における検査へのアクセスは、需要と経済的コストによって圧倒されている。
  • このため、OSAの可能性が高い状況で使用できる、受容可能な精度を持つよりシンプルなツールと、より意識の高い集中的な病歴聴取が必要とされている。
  • そこで、ポリソムノグラフィー(PSG)の主要な適応症を示し、病院または家庭環境でポリグラフィー、オキシメトリー、非接触型睡眠モニタリングなどの拡張可能な既存のOSA評価代替手段を紹介する。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38616458

[quote_source]: Fitzgerald DA, MacLean J and Fauroux B. “Assessment of obstructive sleep apnoea in children: What are the challenges we face?” Paediatric respiratory reviews 53, no. (2025): 35-38.

[title]: [Pediatric obstructive sleep apnea–an orthodontic perspective].

【要約】

  • 小児における睡眠時呼吸障害は、いびきから閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)まで、幅広い呼吸器疾患を包含する包括的な用語である。
  • 近年、OSASは代謝、神経認知、心血管疾患など、様々な疾患と関連することが認識され、早期発見の重要性が強調されている。
  • 小児OSASの初期治療としては、アデノイドと扁桃の外科的摘除が推奨されているが、病因には他の要因も関与していることが明らかになっている。
  • 気道と頭蓋顔面の発達の間には相互関係があるとされている。顔面と顎の構造はOSASの病態生理に重要な役割を果たすため、矯正歯科医はこれらの小児の診断と治療において重要な役割を担う。
  • OSASは口腔の健康に直接的および間接的な影響を与えると考えられている。
  • 成人におけるOSASは、病態生理、臨床症状、治療法において小児と異なる別個の疾患として定義される。
  • 本論文は、小児OSASの病態生理、診断、臨床的意義、治療法について概説し、顔面、顎、口腔、歯への影響と、これらの問題の特定と治療における歯科医の重要な役割について議論する。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25219101

[quote_source]: Tzur-Gadassi L, Hevroni A, Gross M and Davidovich E. “[Pediatric obstructive sleep apnea–an orthodontic perspective].” Refu’at ha-peh veha-shinayim (1993) 31, no. 3 (2014): 48-58, 63.

[title]: [Reflections on the current state of early orthodontic treatment].

早期矯正治療の現状に関する考察 【要約】

  • 近年、小児歯科、一般歯科、矯正歯科において早期矯正治療が盛んに研究開発されているが、過剰介入や時期尚早な治療、適応症の厳格な制限、早期矯正治療の役割の誇張といった誤解も存在する。
  • 本論文は、中国における早期矯正治療の現状分析から出発し、国内外の最新文献・レビューを参考に、歯科医師と一般の人々が関心を持つ9つの問題点(早期矯正治療が新しい概念かどうか、必要性、時期、適応症、抜歯・外科手術を回避できるか、後退下顎や下顎の成長パターンといった顔貌を完全に変化させられるか、口呼吸癖やアデノイド顔貌、睡眠時無呼吸を治療できるか、既製装置を用いた筋機能療法の役割、透明アライナーが従来のアライナーより優れているか)を一つずつ分析し、早期矯正治療の標準化を促進することを目的としている。
  • 早期矯正治療においては、適切な適応症の選択、矯正の基本原理と技術の習得、子どもにとって最適な治療法と時期の選択が不可欠である。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40132959

[quote_source]: and Li H. “[Reflections on the current state of early orthodontic treatment].” Hua xi kou qiang yi xue za zhi = Huaxi kouqiang yixue zazhi = West China journal of stomatology 43, no. 2 (2025): 151-157.