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前歯のインプラント治療

前歯インプラントの基礎知識|他の治療法との4つの違い

前歯を失うと、食事や会話がしにくくなるだけでなく、人前で笑うことに抵抗を感じてしまうかもしれません。

お顔の印象を大きく左右する前歯は、見た目の美しさと、「噛む」「話す」といった機能の両方がとても大切です。

失った前歯を補う治療には、インプラントの他に「ブリッジ」や「入れ歯」という選択肢があります。

それぞれの治療法には良い点と注意すべき点があるため、違いを正しく理解し、ご自身に合った方法を選ぶことが重要です。

ここでは、前歯のインプラント治療が他の治療法とどう違うのか、その基礎知識を分かりやすく解説します。

メリット1:健康な両隣の歯を削らない

インプラント治療の大きなメリットは、失った歯の両隣にある健康な歯を削る必要がないことです。

フロスも問題なく入れることができます。

ブリッジ治療では、橋を架けるように人工の歯を固定するため、土台となる両隣の健康な歯を削らなくてはなりません。

一度削ってしまった歯は、二度と元の状態には戻りません。

歯は削ることで強度が落ち、寿命が短くなってしまう可能性があります。

また、削った歯は将来的にむし歯になるリスクを高めてしまうことも考えられます。

一方、インプラントは、歯を失った部分のあごの骨に直接、人工の歯根を埋め込む治療法です。

周りの歯に頼ることなく、1本で独立して立つことができるため、他の健康な歯に負担をかけることがありません。

ご自身の歯を一本でも多く、そして長く健康に保ちたい方にとって、この点は非常に大きなメリットと言えるでしょう。

メリット2:自分の歯のように自然に噛める

インプラントは、チタン製の人工歯根をあごの骨に埋め込みます。

この人工歯根は、時間とともに骨としっかりと結合する特徴を持っています。

そのため、まるでご自身の歯が再び生えてきたかのように、安定した噛み心地を取り戻すことができます。

硬いおせんべいやリンゴ、お肉なども気にすることなく、食事を心から楽しめるようになります。

入れ歯のように食事中にずれたり、硬いものを噛んで歯ぐきが痛んだりする心配もほとんどありません。

また、インプラントはあごの骨に直接固定されているため、食べ物の食感や温度もしっかりと感じられます。

しっかりと噛めることは、食べ物の消化を助けるだけでなく、脳への刺激にもつながります。

【噛む力の比較(天然の歯を100%とした場合)】

  • インプラント  あごの骨が直接支えるため、天然の歯とほぼ同じ力(約90%)で噛めます。
  • ブリッジ  両隣の歯で支えるため、比較的よく噛めますが、土台の歯に負担がかかります。
  • 入れ歯  歯ぐきで支えるため、噛む力は天然の歯の20〜30%程度と言われています。

機能面で天然の歯に近いインプラントは、日常生活の質を向上させることが期待できる治療法です。

デメリット:外科手術が必要で治療期間が長い

インプラント治療には多くのメリットがありますが、注意すべき点も存在します。

最も大きな特徴は、あごの骨にインプラントを埋め込むための外科手術が必要になることです。

もちろん手術は麻酔をして行うため、処置中に痛みを感じることはほとんどありません。

しかし、手術と聞くと不安や恐怖を感じる方もいらっしゃるでしょう。

また、手術後には個人差がありますが、痛みや腫れが出ることがあります。

治療期間が比較的長いこともデメリットの一つです。

手術後、インプラントとあごの骨がしっかりと結合するまでに、通常は数ヶ月の期間が必要です。

骨の状態によっては、骨を増やすための特別な処置が必要になる場合もあり、全体の治療期間が半年から1年以上かかることもあります。

ただし近年では、条件が合えば歯を抜いたその日のうちにインプラントを埋め込む「抜歯即時埋入」という方法も選択できます。

複数の研究をまとめた報告によると、抜歯即時埋入は慎重な患者選択と正確な手術を行えば、従来の待つ方法と同等の生存率を示すことがわかっています。

成功のためには、頬側の骨の厚みや歯肉の状態など、多くの条件をクリアする必要があります。

この方法は誰にでも適用できるわけではないため、専門家による精密な診査診断が不可欠です。

ブリッジ・入れ歯との審美性・機能性の比較

前歯の治療法を選ぶ上で、「見た目の美しさ」と「機能性」は特に重要なポイントです。

インプラント、ブリッジ、入れ歯にはそれぞれ特徴があり、何を優先するかによって最適な選択は異なります。

項目 インプラント ブリッジ 入れ歯
見た目
(審美性)

天然の歯に近く、自然で美しい仕上がり。

保険適用の材料は不自然
◎自費診療は自然な仕上がり
×
バネが見えたり、不自然さが出やすかったりする。
噛む力
(機能性)

自分の歯とほぼ同じ力で噛める。

比較的よく噛めるが、土台の歯に負担がかかる。

硬いものや粘着性のあるものは苦手な場合がある。
周りの歯への影響
健康な歯を削らず、負担もかけない。
×
健康な歯を削る必要がある。

バネをかける歯に負担がかかることがある。
清掃のしやすさ
1本ずつ独立しており、フロスが入る。歯磨きしやすい。

連結部分の下に汚れがたまりやすい。

取り外して清掃する必要がある。
外科手術
必要
×
不要
×
不要
治療期間
長い(数ヶ月〜1年以上)

短い(数週間〜1ヶ月程度)

短い(数週間〜1ヶ月程度)

インプラントは見た目も機能も天然の歯に近い状態を再現することを目指す治療法です。

多くの研究で、インプラントの10年後の生存率は90%を超えるなど、長期的に安定した結果が報告されています。

しかし、外科手術や治療期間、費用といった側面も考慮し、総合的に判断することが大切です。

それぞれの治療法のメリット・デメリットをよく理解し、歯科医師と十分に相談して、ご自身にとって最良の選択をしてください。

見た目の美しさを決める審美インプラントの重要ポイント5選

お顔の印象を大きく左右する前歯は、機能性と同じくらい見た目の美しさが大切です。

だからこそ、インプラント治療では誰もが「本物の歯と見分けがつかない仕上がり」を望むことでしょう。

見た目の美しさにこだわった審美インプラント治療を成功させるには、いくつかの重要なポイントがあります。

天然歯の透明感を再現するセラミック材料の選び方

インプラントの被せ物(人工歯)には様々な材料がありますが、特に前歯では材料選びが見た目を大きく左右します。

天然の歯が持つ、自然な透明感や繊細な色合いを再現するためには、セラミック材料が非常に適しています。

セラミック材料にもいくつかの種類があり、それぞれに異なる特徴を持っています。

材料の種類 特徴
オールセラミック  金属を一切使わず、セラミックだけで作られます。
 光を自然に透過するため、天然の歯に近い透明感を再現できます。
ジルコニアセラミック  「人工ダイヤモンド」とも呼ばれるジルコニアを土台に使います。
 強度と美しさを両立でき、奥歯にも使用されるほど丈夫です。
リチウム二ケイ酸塩ガラスセラミック  新しいタイプのセラミック材料で、高い強度と審美性を持ちます。

歯と歯茎の境目を自然に見せる歯肉マネジメント

美しい口元は、白い歯だけでなく、健康的なピンク色の歯ぐきとの調和によって生まれます。

インプラント治療でも、歯と歯ぐきの境目が自然に見えることは非常に重要です。

もしインプラントを埋め込んだ後に歯ぐきが痩せて下がると、インプラントの金属部分が見えたり、歯だけが長く見えたりして、不自然な印象を与えてしまいます。

そこで重要になるのが「歯肉マネジメント」という処置です。

これは、インプラントの周りの歯ぐきの厚みや形を整え、より自然な見た目を作り出すための処置を指します。

歯肉マネジメントの主な目的

  • 歯ぐきの厚みを増やす  歯ぐきが薄いと、中のインプラントが透けて黒ずんで見えることがあります。  歯ぐきを厚くすることで、自然な色合いを保ちます。
  • 歯ぐきのラインを整える  隣の歯と歯ぐきのラインが滑らかにつながることで、一体感が生まれます。

歯ぐきのボリュームが足りない場合には、上あごの裏側などから歯ぐきの一部を採取して移植する「結合組織移植」などの方法があります。

近年の研究では、こうした軟組織(歯ぐき)を増やす処置が、インプラント周囲の歯ぐきの下がりを改善することがわかっています。

さらに、見た目の美しさだけでなく、患者さんの生活の質(QOL)も向上させることが報告されており、審美インプラント治療において非常に価値のある処置と言えます。

理想的な歯の立ち上がりを作るエマージェンスプロファイル

「エマージェンスプロファイル」という言葉を初めて聞く方も多いかもしれません。

これは、インプラントが歯ぐきから出てきて、歯の形になるまでの「立ち上がりの部分の形」を指す専門用語です。

この部分が、まるで天然の歯が自然に生えてきているように見えるかどうかが、審美性を決定づける重要な鍵となります。

不自然なエマージェンスプロファイルだと、次のような問題が起こりやすくなります。

  • 歯の根元が急に太く見えて不自然になる
  • 歯と歯ぐきの間に食べかすが詰まりやすくなる
  • 歯磨きがしにくく、汚れが残りやすくなる

理想的な形態を作るためには、インプラントを埋め込む位置や角度が極めて重要です。

それだけでなく、最終的な被せ物はもちろん、治療の途中で装着する「仮歯」の形も、この立ち上がり部分の形成に大きく影響します。

最近では、後述するデジタル技術を活用して、このエマージェンスプロファイルを精密に設計することが可能になっています。

これにより、清掃しやすく、長期間にわたって安定した美しさを保てる、理想的な歯の立ち上がりを実現しやすくなりました。

治療中の見た目も安心、審美性を考慮した仮歯

前歯のインプラント治療は、インプラントと骨が結合するまで数ヶ月の期間が必要です。

「その間、歯がない状態で過ごすのは困る」と心配される方も少なくありません。

特に人目に付きやすい前歯だからこそ、治療期間中の見た目は大きな問題です。

審美的な仮歯の重要な役割

  • 見た目の維持  仕事や日常生活に支障が出ないよう、自然な見た目を保ちます。
  • 歯ぐきの形の誘導  理想的な歯ぐきの形を作るためのガイドの役割を果たします。  先ほど説明した「エマージェンスプロファイル」を整える上で欠かせません。
  • 機能の確保  正しい発音や、普段通りの食事をしやすくします。
  • 最終的な歯のシミュレーション  仮歯の形や噛み合わせを確認し、その情報を最終的な被せ物の設計に役立てます。

最近では、デジタル技術を用いて最終的な歯に近い、非常に精巧で審美性の高い仮歯を作ることが可能です。

治療中も見た目を気にすることなく、安心して過ごすことができます。

デジタル技術を用いた精密なシミュレーションと設計

インプラント治療の成功は、いかに精密な診査・診断と治療計画を立てられるかにかかっています。

その精度を飛躍的に高めているのが、CTや口腔内スキャナー、シミュレーションソフトなどのデジタル技術です。

これらの技術を活用することで、多くのメリットが生まれます。

  • 精度の高い診断  歯科用CTでお口の中を3次元的に撮影し、あごの骨の厚みや硬さ、重要な神経や血管の位置などをミリ単位で正確に把握できます。
  • 安全な手術計画  コンピューター上で、インプラントを埋め込むのに適した位置・角度・深さをシミュレーションします。  これにより、コンピューター上でシミュレーションを行うことで、手術に伴うリスクの低減につながります。
  • 美しい仕上がりの予測  治療後の歯並びや口元の見た目を、治療を始める前にシミュレーション画像で確認できます。
  • 患者さんの負担軽減  従来の粘土のような材料での型取りが不要な「口腔内スキャナー」を使えば、不快感なく精密な歯型のデータを取得できます。

デジタル技術を駆使することで、精密な診査診断に基づき、審美性にも配慮したインプラント治療の計画を立てることが可能になります。

治療完了までの期間と通院回数の目安

インプラント治療は、あごの骨とインプラントがしっかり結合するのを待つ時間が必要です。

そのため、治療にはある程度の期間がかかります。

お口の状態によって個人差はありますが、一般的な治療の流れとかかる期間の目安を知っておきましょう。

【標準的な治療の流れと期間の目安】

  1. カウンセリング・精密検査・治療計画の立案  (通院1〜2回)  CT撮影などでお口の中を立体的に詳しく調べ、最適な治療計画を立てます。
  2. 一次手術:インプラントの埋め込み  (通院1回)  あごの骨に、歯の根っこの代わりとなるインプラント体を埋め込む手術です。
  3. 治癒期間  (3ヶ月〜6ヶ月)  インプラントと骨がしっかりと結合するのを待ちます。この期間の通院はほとんどありません。
  4. 二次手術:アバットメントの装着  (通院1回)  歯ぐきを少し開き、人工歯の土台となる部品(アバットメント)を取り付けます。
  5. 人工歯の作製・装着  (通院2〜3回)  歯の型をとり、周りの歯と色や形を合わせた人工歯を装着して治療は完了です。

全体の治療期間は、一般的に3ヶ月から1年ほどが目安となります。

ただし、インプラントを支える骨の量が少ない場合は、骨を増やす処置(骨造成)が必要です。

その場合は、さらに数ヶ月長くかかることがあります。

また、条件が合えば歯を抜いたその日にインプラントを埋め込む「抜歯即時埋入」という方法もあります。

複数の研究をまとめた報告によると、この方法は慎重な患者さんの選択と正確な手術技術によって、従来の方法と同等の良好な結果が期待できるとされています。

この方法は誰にでも適用できるわけではなく、専門家による精密な診査診断が不可欠です。

手術の痛みや腫れを和らげるための麻酔と処置

「手術」と聞くと、痛みが心配になるのは当然のことです。

しかし、現在のインプラント治療では、痛みや腫れをできるだけ抑えるための様々な工夫がされています。

手術中は、局所麻酔をしっかりと効かせてから行いますので、痛みを感じることはほとんどありません。

歯を抜くときと同じような麻酔だとお考えください。

それでも手術に対する不安や緊張が強い方には、**「静脈内鎮静法」**という方法も選択できます。

点滴で鎮静剤を投与することで、うたた寝をしているようなリラックスした状態で手術を受けられます。

手術後の痛みや腫れには個人差がありますが、通常は処方される痛み止めで十分コントロールできます。

術後の痛みや腫れには個人差がありますが、通常は処方されるお薬で対応可能です。気になる症状が続く場合はご相談ください。

【術後の痛みや腫れを抑えるポイント】

  • お薬を指示通りに飲む  処方された痛み止めや、感染を防ぐための抗生物質を指示通りに服用します。
  • 患部を優しく冷やす  手術当日は、患部を濡れタオルなどで優しく冷やすと腫れが和らぎます。
  • 血行が良くなる行動は控える  激しい運動、長時間の入浴、飲酒は血行を良くし、痛みや腫れを強める原因になるため控えます。
  • 食事に気をつける  硬いものや刺激物を避け、傷口に負担をかけない柔らかいものを選びましょう。

これらの点に気をつけることで、術後の不快な症状を最小限に抑えることができます。

信頼できる歯科医院を選ぶための3つの基準

インプラント治療を成功させ、長期的に良い状態を保つためには、歯科医院選びは非常に重要です。

特に審美性が求められる前歯の治療では、医師の技術力と経験が結果を大きく左右します。

後悔しないために、以下の3つの基準を参考にして歯科医院を選びましょう。

1. 医師の経験と専門性 インプラント治療は専門性の高い分野です。

前歯の審美インプラント治療の症例を数多く手がけているか、ホームページなどで実績を確認することも大切です。

2. 精密な診断・治療を可能にする設備 安全で正確な治療のためには、設備が整っていることも重要です。

  • 歯科用CT  あごの骨の厚みや高さ、神経の位置などを三次元的に把握し、精密な手術計画を立てるために不可欠です。
  • シミュレーションソフト  CTデータをもとに、コンピューター上でインプラントを埋め込む最適な位置や角度を事前にシミュレーションします。
  • 徹底された衛生管理  感染を防ぐために、清潔な専用の手術室や高度な滅菌設備が整っているかを確認しましょう。

3. 丁寧なカウンセリングと分かりやすい説明 患者さんの不安や希望を親身に聞いてくれるかは、信頼関係を築く上で非常に重要です。

治療のメリットだけでなく、リスクやデメリット、他の治療法との違いもきちんと説明してくれるかを確認しましょう。

費用や治療期間についても明確に提示してくれる歯科医院を選ぶことが大切です。

抜歯即時埋入のような高度な治療を成功させるには、正確な手術技術と慎重な判断が不可欠であると示されています。

こうした高度な治療を適切に行えるかどうかも、医院の技術力を見極める一つの指標となります。

インプラントを長持ちさせるメンテナンスと保証制度

インプラントはチタン製なので虫歯にはなりませんが、お手入れを怠ると歯周病に似た病気になります。

これを「インプラント周囲炎」と呼びます。

この病気が進行すると、インプラントを支えている骨が溶け、最悪の場合はインプラントが抜け落ちてしまうこともあります。

せっかく入れたインプラントを長持ちさせるためには、治療後のメンテナンスが欠かせません。

【インプラントを守る2つのケア】

  1. セルフケア(ご自身での毎日のお手入れ)  歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなどを使い、インプラントの周りを清潔に保ちましょう。
  2. プロフェッショナルケア(歯科医院での定期検診)  3ヶ月~6ヶ月に1回程度、定期的に歯科医院で検診を受けましょう。インプラントの状態や噛み合わせのチェック、専門的なクリーニングなどを行います。

インプラントは、適切なメンテナンスを続けることで長期的に安定した状態を維持できることが、多くの研究で報告されています。

この高い成功率は、適切なメンテナンスを続けることで維持できるのです。

まとめ

前歯のインプラントは、失った歯の機能を取り戻すだけでなく、お顔の印象を左右する見た目の美しさを再現する、非常に繊細な治療です。成功の鍵は、精密な診断を可能にする設備が整い、医師が豊富な経験と高い技術力を持っていることはもちろん、あなたの不安や希望に親身に寄り添ってくれる歯科医院と出会うことです。

参考文献

  1. Moussa H, Nasri W, Gargouri R, Bouslema A. “Management of Soft Tissue Defects Around Single Implants: A Systematic Review of the Literature.” Clinical and experimental dental research 10, no. 6 (2024): e70003.
  2. Hernández-Margarit P, Palacios-Bañuelos R, Roig M, Altuna P, Blasi Á. “Digital workflow for designing an interim implant-supported restoration with an optimal emergence profile in an open-source software program.” The Journal of prosthetic dentistry 132, no. 5 (2024): 857-862.
  3. Zamora GP, Molina-González JM, Martínez-Marco JF, Ruiz AJO, Mardas N, Garcia-Sanchez R. “Aesthetic outcomes of different materials for delayed, single-tooth restorations for immediately placed implants. A randomized controlled clinical trial.” Journal of dentistry 146, no. (2024): 105067.
  4. Ickroth A, Christiaens V, Pitman J, Cosyn J. “A Systematic Review on Immediate Implant Placement in Intact Versus Non-Intact Alveolar Sockets.” Journal of clinical medicine 14, no. 7 (2025): .
  5. Dias D, Hermann F, Liñares A, Blanco J, Araújo MG. “Immediate Implant Placement and Restorations in Single-Unit and Multiple-Unit FDPs: A Scoping Review of the Current Evidence, Indications, and Clinical Protocols.” The International journal of prosthodontics 38, no. 5 (2025): 11-34.

追加情報

[title]: Management of Soft Tissue Defects Around Single Implants: A Systematic Review of the Literature.

単一インプラント周囲の軟組織欠損の管理:文献の系統的レビュー 【要約】

  • 本系統的レビューの目的は、前歯部における単一インプラント周囲の歯肉退縮などの軟組織欠損管理のための有効な手法を評価することだった。
  • PubMed、Web of Science、Cochraneデータベースを対象に、関連キーワードとMeSH用語を用いて包括的な検索が行われた。本レビューには、10名以上の患者を対象とし、少なくとも6ヶ月間の追跡調査が行われた前向き介入研究が含まれた。
  • 13報の論文が選択され、うち8報は頬側軟組織の歯肉退縮を対象とした処置の結果に焦点を当て、残りの5報は軟組織厚さの増加を目的とした介入に関する調査であった。結合組織移植と併用したコラーゲン膜を用いた冠状移動弁法は、中長期的に頬側軟組織の歯肉退縮を覆う上で最も効果的な技術であった。軟組織厚さを増大させる点では、結合組織移植と無細胞真皮マトリックスの両方で短期的な良好な結果が示されたが、長期的な有効性はまだ不明である。
  • 単一インプラント周囲の審美領域における軟組織増強術は、頬側軟組織の歯肉退縮の修復と軟組織厚さの増加という点で良好な結果をもたらした。インプラント周囲の形成外科手術は、患者の審美的な外観と生活の質の両方を改善した。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39497338

[quote_source]: Moussa H, Nasri W, Gargouri R and Bouslema A. “Management of Soft Tissue Defects Around Single Implants: A Systematic Review of the Literature.” Clinical and experimental dental research 10, no. 6 (2024): e70003.

[title]: Digital workflow for designing an interim implant-supported restoration with an optimal emergence profile in an open-source software program.

オープンソースソフトウェアを用いた、最適なエマージェンスプロファイルを持つ仮歯型インプラント補綴物のデジタルワークフロー 【要約】

  • 前歯部におけるインプラント支持補綴物の審美性とエマージェンスプロファイル(歯茎から歯冠がどのように現れるか)のデザインは困難である。
  • 本論文では、審美的なインプラント支持仮歯冠において、インプラントヘッドから最終的な補綴物容積まで最適なエマージェンスプロファイルを作成するためのデジタルアプローチについて説明している。
  • このデジタルアプローチによって、コンポジットレジンによる積層に適した、適切なエマージェンスプロファイルと歯肉側のカットバック(歯肉を調整する部分)を備えた、プリントされた仮歯型インプラント支持補綴物が得られる。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36494239

[quote_source]: Hernández-Margarit P, Palacios-Bañuelos R, Roig M, Altuna P and Blasi Á. “Digital workflow for designing an interim implant-supported restoration with an optimal emergence profile in an open-source software program.” The Journal of prosthetic dentistry 132, no. 5 (2024): 857-862.

[title]: Aesthetic outcomes of different materials for delayed, single-tooth restorations for immediately placed implants. A randomized controlled clinical trial.

即時配置インプラントの遅れた単一歯の審美的結果における異なる材料の比較:ランダム化対照臨床試験 【要約】

  • 目的:本研究の目的は、前歯部における即時インプラント支持単冠における金属磁器(C)、リチウム二ケイ酸塩(T1)および磁化亜鉛上層(T2)の審美的結果を比較することである。
  • 材料と方法:前歯部に単一歯の抜歯が必要な45人に対して45個の即時歯科インプラントを提供した。8週後に一時的な義歯を提供し、24週後に最終的な義歯を提供した。患者は無作為に3つのグループに割り当てられた:制御群(C)には金属磁器の修復が行われ、15人の患者(T1)にはリチウム二ケイ酸塩(LD)の修復が行われ、15人の患者(T2)には磁化亜鉛(Z)を上層とした修復が行われた。ピンク(PES)およびホワイト(WES)の審美評価スコア、放射線骨レベル、歯周パラメータ、視覚アナログスケール(VAS)を使用した患者の審美的満足度は、最終的な修復配置時(t0)および12ヶ月間の検証時(t12)に評価された。
  • 結果:この研究の期間中にはインプラントの喪失はなかった。統計的に有意な違い(p < 0.05)は、T1群 vs C群およびT1群 vs T2群の間でWESおよびVASスコアが高く記録された。すべてのグループで類似の放射線骨レベルおよび歯周パラメータが記録された。
  • 結論:この研究の限界内で、T1修復はC修復よりも優れたWES結果を提供し、T2修復よりも優れたVASスコアを12ヶ月間の検証時に提供したと結論付けられた。また、異なる材料の間接層は、PES、骨レベル、歯周パラメータには影響を与えなかった。
  • 臨床的関連性:許容されるおよび比較可能な指標に基づいて異なるセラミック材料製のインプラント支持単冠の審美的結果の比較データが限られており、これらの審美的結果に関する患者の視点の評価が行われている。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38763385

[quote_source]: Zamora GP, Molina-González JM, Martínez-Marco JF, Ruiz AJO, Mardas N and Garcia-Sanchez R. “Aesthetic outcomes of different materials for delayed, single-tooth restorations for immediately placed implants. A randomized controlled clinical trial.” Journal of dentistry 146, no. (2024): 105067.

[title]: A Systematic Review on Immediate Implant Placement in Intact Versus Non-Intact Alveolar Sockets.

無傷と非無傷の歯槽骨窩における即時インプラント埋入に関する系統的レビュー 【要約】

  • 本レビューの目的は、無傷の歯槽骨窩と非無傷の歯槽骨窩における即時インプラント埋入(IIP)の頬側骨厚を比較することでした。
  • PubMed、Web of Science、Embase、Cochraneデータベースの電子検索と手動検索を行い、2024年6月までの適格な臨床研究を特定しました。無傷および/または非無傷の歯槽骨窩に関するランダム化比較試験(RCT)、コホート研究、症例シリーズを含めました。主要アウトカムは頬側骨厚(BBT)、副次的アウトカムは垂直方向の中顔面軟部組織レベルの変化、ピンク審美スコア(PES)、インプラント生存率、合併症でした。PRISMAガイドラインに従ってレビューを実施しました。
  • 1001件のタイトルをスクリーニングし、手動検索を行った結果、上顎前歯部に525本のインプラント(無傷:265本、非無傷:260本)に関する20報の論文を選択しました。追跡期間は最長120か月でした。全体的な研究の質は低く、特に非無傷の歯槽骨窩については、2件のRCTしか見つからず、バイアスのリスクが低いと示されたものは1件もありませんでした。手術アプローチ、軟部組織の取り扱い、修復アプローチの不均一性のため、メタアナリシスは実行可能ではありませんでした。BBTは1.10〜3.18 mm(無傷)と1.18〜3 mm(非無傷)の範囲でした。垂直方向の中顔面軟部組織レベルの変化は-0.13〜-0.58 mm(無傷)と-0.03〜-0.59 mm(非無傷)の範囲でした。ピンク審美スコアは10.48〜12.80(無傷)と9.25〜12.43(非無傷)の範囲でした。インプラント生存率はすべての研究で90%を超え、大部分の研究では100%でした。
  • この系統的レビューは、無傷と非無傷の歯槽骨窩におけるIIPの結果に類似性があることを示唆しています。しかし、全体的な研究の質の低さ、直接比較の欠如、不均一性により、比較は非常にバイアスがかかっていました。非無傷の歯槽骨窩におけるIIPのエビデンスに基づいた治療法を確立するためには、今後の研究が必要です。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40217911

[quote_source]: Ickroth A, Christiaens V, Pitman J and Cosyn J. “A Systematic Review on Immediate Implant Placement in Intact Versus Non-Intact Alveolar Sockets.” Journal of clinical medicine 14, no. 7 (2025): .

[title]: Immediate Implant Placement and Restorations in Single-Unit and Multiple-Unit FDPs: A Scoping Review of the Current Evidence, Indications, and Clinical Protocols.

抜歯即時埋入と即時修復:単一ユニットおよび多ユニット固定義歯における現状証拠、適応、臨床プロトコルに関するスコピングレビュー 【要約】

  • 本スコピングレビューは、解剖学的、外科的、補綴的因子に関する単一ユニットおよび多ユニット固定義歯における抜歯即時埋入(IIP)と即時修復(IR)の現状証拠を記述している。
  • PubMed、Embase、Cochraneデータベースにおいて、上顎前歯部および後歯部におけるIIPとIRに関するシステマティックレビューを電子検索した。文献データと研究の詳細を抽出した。
  • 合計28件のシステマティックレビューを含めた。ほとんどのレビューは、審美ゾーンにおける単一ユニットIIPとIRを改善するための解剖学的、外科的、補綴的因子を取り扱っており、臼歯または多ユニット義歯に関する証拠は限られていた。重要な解剖学的因子には、頬側壁の完全性、歯槽突起の寸法、頬側間隙の幅、歯肉表現型が含まれる。一般的に扱われた外科的因子には、フラップレス手術またはフラップ手術、インプラントの位置決め、骨または軟組織移植の使用が含まれる。補綴的因子では、即時荷重プロトコル、仮歯の咬合接触、スクリューリテーンド修復が強調された。
  • 慎重な患者選択、正確な手術技術、効果的な組織管理によって裏付けられた場合、IIPとIRは遅延プロトコルと同等の生存率を示す。間隙の幅、インプラントの位置決め、補助的な軟組織および骨移植は、輪郭を維持し、吸収を防ぐために審美ゾーンにおいて重要である。今後の研究では、抜歯即時埋入と修復の臨床的有用性を高めるために、後歯部および多ユニット義歯における証拠の不足に対処する必要がある。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40900554

[quote_source]: Dias D, Hermann F, Liñares A, Blanco J and Araújo MG. “Immediate Implant Placement and Restorations in Single-Unit and Multiple-Unit FDPs: A Scoping Review of the Current Evidence, Indications, and Clinical Protocols.” The International journal of prosthodontics 38, no. 5 (2025): 11-34.